日別アーカイブ: 2020年10月26日

コニカSⅡのカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
秋も日に日に深まりゆく中
柿の実がなっているのを見かける時期になってきましたね。
いわゆる甘柿は普通に食べてもとっても美味しいですよねぇ
じいさんがやたら柿が好きで
この季節になると毎日のように
夕飯後のデザートに食べてたな(笑)
大きく甘柿と渋柿に分けられますが
渋が抜けるタイミングで
(種が入ったときとか身が柔らかくなったときとか)
いろいろな種類に分けられるのだそうです。
渋柿のほうがが原種に近く
甘柿は元々渋柿の突然変異種なのだそうです。
渋柿は干し柿にすれば
これもまたほのかな甘みが上品でいいのですよねぇ
葉はお茶に使われることもあり
渋は防腐剤に使われたり幹は家具材になったりと
実以外もいろいろな用途に使われます。
そういえば昔、柿の果実酒をどこかで飲んだけど
美味しかったなぁ。。。
いつものことですがこういう風に書いていると
今日の夜のデザートは柿で決まりです!
帰りに買って帰りましょう(笑)

さてさて

本日は「コニカSⅡ」のカメラ修理を行っています。
数日前に「コニカⅡB」のブログがありましたが
コニカⅠ、Ⅱ、Ⅲと続いた35mm判レンズシャッター機のシリーズは
次の「Sシリーズ」に受け継がれます。
クラッシックなデザインだったⅢまでの外観とは
打って変わって直線的なフォルムになった「S」は
1959年のデビューです。クルマとかもそうですが
この頃は従来の丸みを帯びたデザインではなく
直線的なデザインが新しいという感覚だった時代ですよね。
そういう当時の空気感を感じとれるのも古いカメラの魅力ですね。
シャッターユニットはコパルSVEとなり
ヘキサノン48mmF2レンズを搭載します。
セレン光電池式の露出計を搭載し
絞りリング・SSリングに連動して指針を真ん中に合わせるタイプです。
「SⅡ」は「S」のマイナーチェンジといえるモデルで
基本的な部分はほぼ「S」と共通です。
若干のデザイン変更とファインダー内に露出計指針が
表示されるようになりました。

お預かりしている「SⅡ」は
露出計が非常に不安定な状態です。
動いたり動かなかったりしています。
セレン光電池基部の接触不良が原因だと思われますが
動いているときにはそこそこ精度は出ているようなので
心配されるセレンの劣化はそれほど問題にはならなさそうです。
加えてシャッタースピードリングが全く回りません。
低速シャッターにセットされたまま固まってしまっていますが
おそらくスローガバナの固着で動けないのではないかと思われます。
さらにシャッター羽根も固着していて
シャッターも動きません。
絞り羽根は大丈夫かな。。。とチェックしていると
絞りリング自体は軽快に動くのですが
最少絞り時の絞りの形が少々歪んでいます。
さらにきっちりF2解放までリングは回らず
F2.8付近で止まってしまいます。
よくよく見てみると絞り羽根が1枚外れかかっているようです。
おそらく絞りリングも回りにくい時期があったのだと思われます。
そのときに無理に回していて羽根が1枚外れてからは
とりあえず軽く動くようになったのだと思われます。
やはりいろいろトラブルを抱え込んでしまっている個体のようです。

まずは先に前からアクセスして
整備できる部分を行っておきます。
シャッターリングが回らない原因は
やはりガバナが強烈に固着してることが原因でした。
シャッターユニット部の主要部分は
前から整備できるので羽根洗浄以外の部分はここで行っておきます。
今回は絞り羽根の修理も必要なので
この後にレンズボードを外しシャッタユニットも完全に分離します。
さらに絞りユニットも分離させます。
その際にシャッター羽根はすべて外れるのでその:タイミングで
シャッター羽根の洗浄も行います。
実はこの後、絞りユニットを外してわかったのですが
絞り羽根は1枚外れているだけではなく
完全に折れて破損していました。。。
他の部品取りから羽根を1枚調達してきて組みなおしです。
まぁこれもレンズシャッター機では
たまにあるトラブルです。
。。。とはいえ、どのトラブルも原因がはっきりしていて
修理可能な箇所なのでひとつひとつ慎重に修理をしつつ組み上げていきます。
現状のままでは全く撮影に使えない状態でしたが
再びキレイな写真をたくさん撮影できる状態に戻せそうです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。