日別アーカイブ: 2020年10月11日

ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「商店街の日」なのだそうですよ。
都内にはまだまだ昔ながらの商店街が
残っているほうだと思うのですが
先日、たまたまどこかのネットニュースで読みましたが
やはり鉄道沿線の再開発とかで
年々、減ってはいるのですね。
地域密着型の商店街はやはり駅前にあることが多くて
初めて降りる駅の目の前に商店街が伸びていたら
やはり歩いてみたくなりますし
なかなか楽しいですよねぇ
私のお店は駅から徒歩5分くらい離れているので
直接関係ないのですが
最寄りの「新井薬師前駅」も現在地下化工事中で
ここの工事が進んでいくと駅前の様子もまた変わるのでしょうねぇ
まぁここにはそれほど大きな商店街はないのですが。。。
工事完了は当初は2021年3月末の予定だったたらしいのですが
途中で変更されて現在は2027年3月末の予定になっています。
まだまだ先ですなぁ。。。
地下化されたら地上部分は全く違った姿になるでしょうね
ちょっと今から楽しみです

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
いわずとしれた国産最高峰の二眼レフですね。
1950年代は国内でも二眼レフブームが巻き起こり
それに伴ってカメラメーカーも爆発的に増えました。
いわゆる四畳半メーカーと呼ばれる小さなメーカーもたくさんできました。
アルファベットのAからZまですべての頭文字の名前の
メーカーが存在すると言われていました。
そうはいってもある程度の完成度を求めると
おのずとある程度知られたメーカーに限られてしまうのですが。。。
ミノルタは国産としては相当早い時期に二眼レフの発売を開始しました。
国産初はプリンスフレックスという説が有力で
その二ヶ月後に発売されたのが「ミノルタフレックスⅠ」だと言われています。
ミノルタフレックスも年々改良を重ねミノルタコードにモデルチェンジされ
1955年に「ミノルタオートコード」が誕生します。
前作の「ミノルタコードオートマット」から
フィルム平面性確保のためフィルム送りが通常とは逆の
「上から下」に巻く方式になりその後のミノルタ二眼レフの
大きな特徴になっています。
フィルム装填はスタートマーク合わせ式のセミオートマットです。
クランク式の巻上でもちろんセルフコッキングとされ
ピントレバーはこれもミノルタコード以降
ミノルタ二眼レフの大きな特徴でもある
いわゆるハラキリ型のピントレバーで
ノブ型より迅速にピント合わせができる構造です。
ファインダーにはフレネルレンズを採用し
この時代の二眼レフとしては非常に明るくキレの良いファインダーです。
細かいことを言えばビューレンズ上部に
SSと絞りの表示窓があり構えたままの姿勢で
SS・絞りを確認・変更できます。(これ意外と大事です)
そしてなんといっても最大の魅力は
ロッコールレンズによる写りだと思います。
個々の要素で言えばそれぞれ弥勒的な二眼レフが
いろいろ存在することは重々心得ているつもりですが
やはり総合的にみると国産最高峰は
やはりオートコードかな。。と個人的には思います。

お預かりしているオートコードは
おそらくかなり長い間
使われていなかったのではないかと思われます。
それでもシャッターは一応動作しており
ピントレバーも動きが少しばかり渋いですが
動作はしています。
ただし、レンズのクモリがかなり酷いです。
ファインダースクリーンも相当汚れていて
ファインダーミラーにもかなりカビがあり全体的に曇っています。
裏蓋も妙に締まりにくく
全体的に整備・清掃が必要な状態です。
しかしながらレンズのクモリは
オートコードでよく見かける後玉ユニット前側レンズの
コーティングの劣化によるクモリが大部分で
普通に清掃しても全く改善しません。
汚れの付着ではなくてコーティングの劣化なわけですから
当然といえば当然なのですが
それでもできる限りの手段を使って何とか通常の撮影には
ほぼ影響ないレベルまでクリアにすることができました。
意外とコーティングの傷みが少なかったのが幸いでした。
ファインダースクリーンやフレネルレンズは徹底的に洗浄し
ミラーは交換で対処します、
シャッターユニットや巻上機構部の整備はもちろん
ピントレバーやヘリコイド部のグリスアップも行います。

外装の補修や清掃も行い見違える状態になりました。
やはり二眼レフの佇まいは何とも言えず良いものがありますね
各動作も非常にスムーズになりこれなら
かなり気持ちよく使っていただけると思います。
是非ご依頼者様にはこのオートコードで
ブローニーフィルムならではの高画質と空気感を
存分に味わっていただきたいと思います。