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ロードⅣbのカメラ修理

今日は「緑内障を考える日」だそうです。
「りょく(6)ない(7)」(緑内)と読む語呂合わせからだそうです。
これまたイヤな記念日ですねぇ(苦笑)
考えるも何もある程度の年齢になったら
定期的に目の検診にはいかなくてはいけませんね
私は糖尿病持ちでもある上に
頭がいかれてからは左目に少し問題を抱えているので
3ヶ月に1回ペースで眼科に通っています。
緑内障は基本的には発症すると
完治はないですから怖いですよね
国内では最近になって糖尿病網膜症を抜いて
最多の失明の原因となっているのだそうです。
眼圧検査、眼底検査、視野検査は
定期的に行ったほうがいいかと思います。
緑内障に限らず目に関するトラブルって
少しずつ見えにくくなるようなものが多く
意外と気が付くのが遅れるのが怖いですね
もちろん歳をとれば視力がそれなりに落ちてくるのは
当たり前な部分もありますが
何か重大な病気のサインの可能性もあるので
やはり定期的にチェックすることが大事かと思います。
目に限らず身体のトラブルはとにかく早く見つけて
迅速に対処するのが大事ですね…この歳になると痛感します。

さてさて

本日は「ロードⅣb」のカメラ修理を行っています。
「ロード」は岡谷光学機械が製造していたカメラシリーズで
35mm判レンズ固定式カメラです。
その中で「ロードⅣb」は1955年発売のカメラで
レンジファインダーを搭載し
レンズはハイコール4cmF2.8
シャッターはこの時代ではお馴染みの高級シャッター
セイコーシャMXを搭載しています。
この時代の35mm判カメラとしては
非常にコンパクトにまとめられていて
質感も高く根強い人気のあるカメラです。
巻上はダブルストロークで巻上が2回完了すると
レリーズボタンがぴょこんと少し持ち上がり
チャージ完了であることを教えてくれます。

お預かりしている「ロードⅣb」は
レンズシャッターの宿命ともいえる
シャッター羽根粘りが発生していて
巻上げてレリーズしてもシャッター羽根が全く動いてくれません。
こういうレンズシャッター機で症状の場合は
大抵の場合は羽根の粘りが原因ですが
まれにシャッターユニット側の駆動部に問題がる場合もあります。
今回は分解してみたところ
シャッター羽根にしっかり油が付着して
完全に張り付いてしまっていたようです。
羽根を外してしっかり洗浄清掃して対処いたします。
シャッター羽根に油分は厳禁ですが
そのシャッター羽根を駆動するシャッターユニットには
ある程度の油分が必要なので
長年のうちに羽根に染み出してきてしまいます。
シャッターユニット側は油切れ気味で少し動きの悪い部分もあったので
清掃整備を行い必要最小限の注油をい行います。

画像は一通り整備が終わって少し様子見の段階です。
この後で最終的なテストを行い
問題なければ完成となります。
シャッターが快調に動作しているのはもちろんですが
巻上やピントリングもお預かり時より
明らかにスムーズに動作するようになっています。
レンズ・ファインダーもできる限りの清掃を行い
充分にクリアな状態です。
50年代のカメラは高級感を演出するために
ちょっとゴテゴテとした装飾の多いカメラもたまにあるのですが
このロードⅣbは高級感とシンプルさが
絶妙にバランスされたデザインだと思います。
コンパクトさも相まって今でも人気があるのが
よくわかる気がします。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日はなかなかネタにできそうな記念日のない日ですねぇ
「世界環境デー」「ろうごの日」
「ロゴマークの日」「落語の日」等々…
「ろうごの日」なんて確かに個人的に
自身に関係のある日だとも思いますが
。。。コメントしづらいですね。。。
ネガティブな文章に流れていきそうなので
ここで取り上げるのはやめましょう(苦笑)
ちなみに記念日ではないのですが
今日は「天赦日」なのですよね。
天赦日は季節と日の干支で決まり
年に5回または6回しかなく
年によってその日付は変わります。
個人的にはこの類の縁起の良い日とかは
あまり興味はないのですが
天の神々が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ
全てにおいて吉とされる暦の上で最も縁起が良い日なのだそうです。
うーん…まぁ何もないでしょうね(笑
天赦日に財布を新しくすると
金運がアップするといわれているそうですよ。

さてさて

今日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
1972年発売のカメラです。
この前年に発売された「ハイマチックE」の下位モデルとして
発売されたモデルです。
ミノルタはこの時期にラインナップするカメラの電子化を
積極的に進めているのですが
レンズ一体型コンパクトもこの「ハイマチックE/F」で
電子制御化に方向変換し
さらに小型化も大きく進めることになりました。
大口径レンズ搭載の「E」に対して
「F」はF38mm2.7レンズを搭載します。
レンズもそうですがボディも「E」より一回り小型で
非常にコンパクトなカメラです。
露出制御は「E」と同じくプログラムオート専用機で
「E」がセイコーESFシャッターを搭載し
「F」がセイコーESLシャッターを搭載します。
このシャッターユニットの違いが修理する立場としては
かなり大きな違いで
余談になるので細かな事情は省略しますが
「ハイマチックE」だけではなくセイコーESFシャッター搭載機は
残念ながら現在当店では修理を行っておりません。
「F」に搭載されるESLシャッターにしても
電子部品関連の状態によっては修理不可能な場合もございます。
この類の電子制御機はなかなかいろいろと難しいのです。

お預かりしている「ハイマチックF」は
かなり長い間、使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
電池室には当時の水銀電池NR52が入ったままとなっていて
当然ながら電池及び電池室の一部は真っ黒に腐食している状態です。
当然ながら電池を入れ替えても
カメラ側には全く通電しない状態です。
電子制御シャッター機なので電源が入らないと
シャッターは機械的な作動音だけはしますが
全く制御されずシャッター羽根は開かない状態です。
シャッターユニットや電子回路状況がどうかのを判断するにも
まず電源が入らなければどうにもわからない状態です。
電池室端子腐食は当然ですが
そこからの配線も当然ながら腐食で断線していて
配線の先にあるボディ上部の端子盤にまで腐食が広がっている状態です。
これはまず電源が入る状態にするだけでも
それなりに手間がかかりそうです。

まだ取り掛かったばかりの状態ですが
シャッターユニット単体に強制的に電源を繋いでみたところ
精度等はともかくとしてもとりあえず動作自体はするようです。
ESLシャッターは比較的シャッターユニット単体での
トラブルは少ないほうなので何とかなると思います。
電気関係のみならずレンズ・ファインダーのカビ曇り等々
通常の整備清掃ももちろん必要な状態なので
まずは配線関係の修理を行いつつも
並行して各部の整備を行っていきます。

個人的にハイマチックFを
スナップ用に持ち歩いていた時期があるのですが
取り回しが良くて非常に使いやすいカメラです。
レリーズがロングストロークな上に
シャッター作動時に「ジャキーン」といった感じの
独特な作動音がします。
好みもあると思いますがなかなか面白いカメラでもあります。
写りは定評あるロッコールですから
当然の良い写りをするカメラです。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は6月4日…
わかりやすく語呂合わせで「虫の日」ですねぇ
子供の頃は多くの子がそうであったように
私も昆虫類が大好きでまたそこそこ田舎に住んでいたので
ちょっと山のほうにいけば
いろんな昆虫と出会うことができたのです
で、いろんなものを捕まえてきては
家でもいろんなものを飼おうとしましたねぇ
それがいつの間にやら
もう虫なんて一切触れないようになってしまいました(笑
これって不思議ですよね
あんなに嬉々としていろんな虫に触れようとしていたのに
いつのまにかこんなにも触れなくなるものなんですよね
でもそういえば昨年、墓参りに山道歩いたときに
ひさしぶりに「ハンミョウ」を見かけて
あのなんとも美しい色合いにちょっと見入ってしまいました。
もちろん捕まえようなんてサラサラ思いませんでしたが…
あ、ちなみに今日は「蒸し料理の日」でもあるのですよね
それに気が付いたら美味しいシュウマイが食べたくなってきました(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
フラッグシップのF2ボディに
「フォトミックAファインダー」(DP-11)を組み合わせたモデルです。
「DP-11」は最初に出たフォトミックファインダー「DP-1」の
露出計をAiレンズ対応にしたファインダーです。
なので露出計自体はオーソドックスな指針式です。
使用される受光体もCdSですね。
Ai化されたことによりいわゆる「カニの爪」連動ではなくなっています。
ただAi連動爪との連結部は収納可能になっており
露出計は連動できないのの非Aiレンズの装着は可能です。
ただしAi化したことによりファインダー内表示絞り値は
Aiレンズに刻印された文字を直読する方式になり
ここに限っては以前のDP-1のほうが視認性では上回ります。
レンズ連動関係以外の部分は基本的にはDP-1と変わりません。

お預かりしている「フォトミックA」は
ボディ側に関しては多少の油切れの兆候があって
高速シャッターの精度に問題がありますが
それ以外は大きな問題はない状態です。
ただファインダー側は一番のセールスポイントでもある
露出計がほぼ動きません。
F2フォトミック系で露出計不動だと
ファインダー側よりボディ側からの電源供給に問題がある場合が
非常に多いのですが今回は電池室やSW類に
問題はなくボディ側からは正常な電圧が供給されています。
加えてバッテリーチェックに関しては問題なく動作します。
ただ露出計として使おうとすると
うんともすんとも指針が動かない状態です。
CdSの劣化を疑いたくなるような状況ですが
テスタで調べてみてもCdSにも問題はなさそうで
明るさによりそれなりの抵抗変化を確認できました。
…となると怪しいのは絞りやSS連動で
ブラシで接触する摺動抵抗周りではないかと思われます。
単なる汚れとかで接触不良…とかであれば良いのですが
抵抗自体がダメな場合は修理不可能な可能性もあります。
ちなみにF2フォトミック系ではあまりなく
Fフォトミック系でたまに見かけるのは
明るさが暗くても露出計オンにすると
常に指針が古きってしまうパターンで
この場合は大抵の場合抵抗体が剥がれ落ちて修復不可な場合が多く
修理不可能となります。
今回は全く指針が触れない状態なので
そういうパターンではありませんが…

通常はボディ側から整備に取り掛かるのですが
今回はまずは露出計不調の原因をはっきりさせたいので
フォトミックファインダー側から取り掛かっていきます。
まだ現時点でははっきりとした原因はつかめてはいませんが
ブラシ接触部を一部簡単に清掃してみると
多少改善の余地が見られたので
やはろ摺動抵抗に問題があるものと思われます。
これからまずは摺動抵抗部の入念な清掃から取り掛かります。
「入念な」といいつつも清掃しすぎると
抵抗体を剥がれ落とすことになってしまうので
「できる範囲で適度に」行っていきます。
これで何とか通常の動きと精度が確保できればいいのですが…
そのあたりの問題がクリアできれば
露出計以外の部分のファインダー整備とボディ側の整備に
そのまま取り掛かっていきます。

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ニコンFGのカメラ修理

今日は「路地の日」だそうですよ。
日付は「ろ(6)じ(2)」(路地)と読む
語呂合わせからだそうです。
今、住んでる地域では
道路も比較的近年に整備されているようで
それほど昔ながらの細い路地なんてないのですが
私の生まれ育った田舎では
家の間を縫うようにクルマの出入りができない
細い路地がいまだにたくさんありますね。
おまけに平地の少ない土地なので
その路地が階段だらけで急坂だったりするのです。
子供の頃はその路地が格好の遊び場でした。
急坂や階段が多いので
転んだりして怪我することも多かったのですが
クルマの出入りがないことだけは安全だったかな…
いや…今考えると危ないことだらけだった気が…
でもそんなのその頃は普通だったかな…
そういえば小学生の頃
かくれんぼしてて柵のない細い路地を踏み外して
2m位下の別の路地に落ちて
膝を9針縫う怪我とかしていました
あの路地もまだあるのかな
今度帰省した時に行ってみましょう
そんな感じで昔ながらの細い路地を見ると
なんだか懐かしい気持ちになれますね!

さてさて

本日は「ニコンFG」のカメラ修理を行っています。
1982年発売のカメラです。
ニコン初のエントリーモデル「EM」をベースに
機能的なフルスペック化を行ったモデルです。
いわゆるマルチモード機で
自動露出は「プログラムオート」、
「絞り優先オート」を搭載し
「マニュアル露出」も可能です。
これは絞り優先オート専用機で割り切った機能の
「EM」が輸出では好調だったものの
国内での人気があまり出ないため
機能を追加して発売のだと言われています。
機能的には当時の上位機種だった「FE」をも超える機能を持ちますが
ファインダー表示情報や各部の造りは
やはりエントリークラスのクオリティで
そのあたりがこのFGやさらに後に出るFG-20の
独特の雰囲気を出していると思います。
シャッター音もプログランシフトや瞬間絞り込み測光の関係もあり
他のモデルと異なるちょっと独特なものがあり
個人的にはFG-20も含めてかなり好きなモデルです。

お預かりしている「FG」は
それなりに使い込まれたものかと思われますが
おそらく近年は仕舞い込まれたままになっていたものかと思われます。
EM系のカメラはコストの関係もあり
フィルム室の遮光をモルトに頼っている部分が多いのですが
フィルム室のみならずファインダー周りや
内部モルトも含めてモルト関係は全滅です。
おそらくこの状態だと光漏れも起こると思います。
加えて接触不良があるようで電源が安定しません。
ニコンらしく「M90」と「B」は
電池がなくても作動しますが
基本的に電子制御シャッターなので
安定した電圧での電源供給は不可欠です。
電源が不安定なこともありシャッターやオート制御にも
不安定な部分が見受けられます。
他、ファインダー内がカビやゴミでかなり汚れていることや
一部外装品に破損も見られます。
外装部品は中古良品から補充することで対処いたします。

外装部品の破損はよくある巻き戻しクランクの破損ではなく
今回は巻上レバーの破損でした。
EM系の分解整備ではまずはとにかく巻き戻しクランクを
外す際に非常に神経を使います。
年月も経過し固く固着してる場合が多いのですが
力任せに外そうとすると簡単にクランク基部の円盤部品が破損します。
もともと強度のあまりない部品な上に
ここも経年劣化で脆くなっている場合が多いからです。
無駄な力をかけることのないように慎重に外していきます。
FGはEMに比べてかなり機能が追加されている分
整備はなかなか難しいカメラで
さらに電子回路関係でトラブルを抱えていると
修理不可能な場合も多々あるカメラです。
今回は電子回路関連のトラブルはなく
単なる接触不良が発生しているだけなので
そこは対処した上で一通りの機械的整備を行いつつ
各部の清掃整備を行っていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は6月1日ということで
たくさんの記念日が制定されています。
「気象記念日」「電波の日」「牛乳の日」
「衣替えの日」「麦茶の日」「氷の日」
「ねじの日」「鮎の日」「いぐさの日」等々等々…
でもやはり今日は「写真の日」でしょう!
1841(天保12)年のこの日に日本初の写真が撮影された…として
公益社団法人・日本写真協会が「写真の日制定委員会」において
1951(昭和26)年に制定したのですが
後の調査でこれ以前に
写真撮影が行われていたことが分かっているのだそうです。
とはいえ、一度制定したこともあり
引き続き6月1日を「写真の日」としているのだそうです。
詳しくは調べていないのですが
1841年に写された写真は時代的に
いわゆるダゲレオタイプですよね
その時代に比べると普通にだれでも簡単に撮れる
いわゆるフィルム写真になり
いまや写真の主流はすっかりデジタル写真になってしまいました。
より便利で簡単、クオリティの高いものへ…という時代の流れは
当たり前だとうは思いますが
私は個人的にフィルムで撮る写真が単純に好きなので
いろいろ環境は厳しくなってきていますが
まだまだ少しずつでもフィルムで写真を楽しみたいと思います。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行なっていきます。
1976年発売の「キヤノンAシリーズ」の1号機となるカメラです。
来るべき「AE時代」を開花させたともいえる
記念碑的なカメラだと思います。
実は「AE-1」の「AE」は
「Totral Automatic System By Electoric SLR Camera」の意味だそうで
いわゆる自動露出を意味する「AE」(Automatic Exposure Control)とは
異なる意味なのだそうです。
キヤノン的には電子制御カメラの頂点を意味するモデル名なのですね。
その名の通り当時の最先端の電子技術を駆使されたカメラで
世界初のマイクロコンピュータ搭載カメラでもあります。
機能的なハイライトはTTL開放測光シャッタスピード優先オート露出ですが
同じ機能を持つ前身の「キヤノンEF」に比べると
300点以上の部品を削減し生産の効率化によるコストダウンも大きく進んでいます。
それまでのシャッタスピード優先オートといえば
露出計の指針を挟み込んでその位置関係から
機械的からくりで絞り連動させるのが通常でしたが
このAE-1からは露出計からの信号を電気的に受け取り
電子制御で自動露出を行います。
もちろんシャッタスピード制御も電子制御です。
それでも中身をじっくり見てみるとまだまだ機械的な部分も多く残っていて
シャッタスピードダイヤルからの連動には糸が使われたりしています。
後のAE-1Pになるとこのあたりも次々と電子制御に置き換わっていくので
そのあたりの変化をモデルごとに見ていくと
なかなか興味深いものがあります。

お預かりしているAE-1は一通り動作はしている状態なのですが
いくつか問題点を抱えている状態です。
まずお決まりのシャッター鳴きや巻上鳴きが出ている状況です。
高速シャッタスピードの精度も出ておらず
汚れや古い油脂類で各部の動きが悪くなっているような状態です。
オート制御も絞り連動部の動きが悪いせいもあり不安定です。
加えて露出計も妙にオーバー気味な値が出ているようです。
そのあたりもとりあえずは電源が入って動作しているから
確認できているわけなのですが
実はこのAE-1、普通に電池を入れただけでは電源が入らない状態です。
ご依頼者様のほうでも当店受付前から
とりあえずは応急処置的に対処されていたので
とりあえずは電源が入っていたのですが
電池室のマイナス側端子が引っ込んだまま固着していて
そのまま電池を入れても端子に電池が届かずぶかぶかな状態なのです。
とりあえずはアルミ箔で電池の長さを延長して
動かしている状態です。
マイナス側端子はバネで伸び縮みして電池を抑えるような構造ですが
ここの端子が引っ込んだまま固着しています。
この状況は実はAE-1で比較的多く見かける症状です。
通常は電池室側からいろいろ対処してやるとそのうち固着が解けて
普通に動くようになるのですが…
今回はまぁこれが強烈に固着していて
電池室側から少々何をやろうともビクとも動きません。
いずれにしても分解整備するので電池室も外して
じっくり対処していきたいと思います。

フレキが使われている割にはまだまだリード線も多く
少々分解に手間がかかるのは事実ですが
この類のカメラの中では整備性はかなり良いほうです。
ただ、電気的回路の少ないカメラに比べると
いろいろと異なる点で神経を使う部分が多いので
扱いに慣れは必要だとは思います。
乾燥度合いの高い季節に比べれば
静電気の心配が少ない時期になってきたので
少しだけ気が楽ですね。
それでも分解した状態で手を触れるときには注意が必要です
いろいろと細心の注意を払って整備を行っていきます。

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キヤノンFTbのカメラ修理

今日は「世界禁煙デー」だそうですよ
私も大っぴらに言えない年齢から
タバコを吸い始めて数十年
禁煙して数年といったところですが
喫煙は身体には間違いなく良くはないでしょうね…
朝一発目に吸った時の
あの少し頭がくらくらする感覚。。。
あれだけでも結構ヤバいと今では思いますもの(汗)
でも吸う方の気持ちはわかります
そりゃ吸いなれていると美味いですもの
いまだに「あーなんだっけこの手持無沙汰な感覚。。。
そっか!こういうときはタバコなんだよなぁ」って思い
少し吸いたいなぁ…と思うことがいまだにありますもの。。。
さすがに頭の血管が細くなっていることを
毎年MRIで見せられているので
喫煙再開する気は毛頭ございませんが…
でもタバコ吸える場所って本当に減りましたね
私が子供の頃はまだバスや電車内でどこでも
タバコを吸えるのは普通でしたし
働き始めてからもしばらくは机に灰皿があって
いつでもその場で吸えるのが普通でした
まぁこれは時代の流れでしょうね
しかし、これも最近改めて知りましたが
タバコ…めちゃくちゃ高いですね(苦笑)
私が吸い始めた頃
確かマイルドセブン220円、ハイライト200円でしたが…

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
F-1と同じ年に発売開始になった
機械制御シャッターの中級機です。
F-1もFTbも基本的なシャッターや巻上、ミラー駆動等の構造は
FX以降の当時のFシリーズの構造がベースになっていることは同様で
それの部品レベルの耐久性を上げて
各部の精度も突き詰めたのがF-1で
コストも考慮して通常の中級機レベルとしたのが
FTbということもできると思います
露出計周りはこの2機種が出るタイミングで
開放測光対応のFDレンズになったため
大幅に連動部は変更されています。
それでもコンデンサレンズの背面にCdSを配置する
キヤノン独特の部分測光は旧FTで既に採用されているので
F-1にしてもFTbにしても
いきなり出てきた新しい技術ばかりのカメラではなく
これまでの技術の積み重ねで完成度を高めてきたカメラだと思います。
F-1はルックス的にはそれまでのキヤノンとは一線を画した
スマートでスタイリッシュなデザインですが
FTbのほうはこれまでのFシリーズから引き継がれた
端正なこれまでのキヤノンらしいデザインです。
前身のFTとそれほど大きな違いもありませんが
これはこれで完成度の高い洗練されたデザインだと思います。
FTbはシルバーもブラックも設定があり
どちらも捨てがたい魅力がありますが
今回お預かりしているのは塊感のより強調される
ブラックボディです。

まずはお約束のプリズム腐食が確認できます。
ファインダー内に縦の何か液体が流れた跡のような
腐食が大きく2本確認できます。
これも他のカメラでもよくあるモルトプレーンの
加水分解を原因とするプリズム腐食です。
Fシリーズの場合はプリズム抑えの内側に
緩衝材としてモルトが貼ってあり
プリズムと直接触れないように
1枚カバーが挟まれているのですが
その挟まれているカバーの隙間から腐食するのです。
対策されていないFシリーズのカメラであれば
ほぼ間違いなく起こってしまうトラブルです。
FTbはまだ比較的、交換できるキレイな中古良品のプリズムが
入手可能なので今回も交換で対処いたします。

他もFTb…というかこの時代の一眼レフにありがちな
幕軸の動作不良による異音、精度不良
露出計sw接触不良による露出計やBCの動作不良等々ですが
このあたりは通常の整備の中で改善して
細かな調整でしっかり問題のない状態にしていきます。

まだプリズムを降ろしただけの状態です。
画像ではわかりにくいですが
プリズムの腐食も写っていますね
で、抑え部品の内側とカバー側に
劣化したモルトがべったりと付いているのがよくわかります。
せめてカバーが一体型で隙間がないタイプだと
もう少し持つのでは…とも思いますが
そのあたりはコストの問題等もあるのでしょうね
いずれにしてもモルトは定期的に交換が必要な
消耗部材ですから十数年も放置してはいけないということですね。

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キヤノンAV-1のカメラ修理

今日は「こんにゃくの日」だそうですよ。
こんにゃくの種芋の植えつけが5月に行われることと
「こ(5)んに(2)ゃく(9)」と読む語呂合せが
由来となっているそうです。
おでんとか鍋物・煮物に欠かせない食材ですねぇ
基本的に味を染ませて楽しむものですね。
今は平気ですが
こんにゃくも子供の頃には苦手な食べ物でした。
あの独特の臭みと触感がダメだったのですよねぇ
今もあまり量を多く食べようとすると
少し臭みが気になりますねぇ
でもおでんとかで味がよく染みたものは美味しいですよね
これもやっぱり日本酒が合うかなぁ…
焼酎でもいいな(笑
体内の老廃物を外に出す働きがあり
昔からお腹の掃除をしてくれることが知られていて
「砂おろし」「砂払い」「胃のほうき」などと呼ばれています。
そうそう、子供の頃にこんにゃくが苦手な私に
ばあさんが「こんにゃくはおなかの砂を
出してくれるんじゃけぇ食べんさい!」って言われてました(笑
今日から長雨で少し気温も下がりそうだから
あったかい鍋物とか良さそうですね
こんにゃくの出番もありそうです!

さてさて

本日は「キヤノンAV-1」のカメラ修理を行っています。
1979年発売のカメラです。
Aシリーズ以前からキヤノンはオート露出に関して
初心者のユーザーになじみの少ない絞り値よりも
露出時間であるシャッタースピード値の方が
分かりやすいと考え
絞り優先に比べてコストはかかっても
シャッタースピード優先式にこだわってきたのですが
特に海外では絞り優先オート機の要望が多く
海外販社の要望に押し切られる様な形で
開発発売されたのがこの絞り優先オート専用機「AV-1」です。
他の「Aシリーズ」同様、機械的な部分のベースは
やはり「AE-1」なのですが電子制御周りは
「AE-1」よりはずいぶん進んでいて
加えて相当なコストカットも行われています。
国内でもこの時期、マニュアル露出を搭載しない
「絞り優先オート専用機」はエントリー機として好評で
セールス的にも各社好評だったのですが
それらに比べると「AV-1」は国内では少し苦戦してしまったようです。

それでもこのクラスのカメラは各社それなりに
ヒットしていますので「AV-1」も現存台数は多く
当店にもちょくちょく修理依頼があるカメラです。
お預かりしている「AV-1」は
一通り動作はしていますがシャッタースピードがかなり不安定で
「Aシリーズ」によくある巻上鳴きやシャッター鳴きの症状も出ています
全体的に油切れで動きの悪いところが多い状態です。

まだ取り掛かったばかりの状況ですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
基本的にやはりAE-1と同じような手順を踏んで分解を進めますが
微妙にAV-1のほうが整備性はよくないです。
ちょっと面倒な箇所や調整のできない部分とかが多いのです。
コストカットの影響ももちろんあると思います。
構造自体はSS優先のAE-1やAE-1Pより
絞り優先のAV-1のほうが絞り制御がない分
シンプルではあるのですが。。。
いずれにしてもこの類のカメラは
とにかく基盤周りの扱いに細心の注意を払って
整備を行っていきます。
今回は電気的には何の問題もない状態なので
機械的な部分の整備を入念に行っていきます。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「東名高速全通記念日」だそうですよ。
1969(昭和44)年のこの日に
神奈川県足柄上郡大井町の大井松田IC~
静岡県御殿場市の御殿場ICが開通し
東京から小牧まで346kmにおよぶ
東名高速道路(東名高速)が全線開通したのだそうです。
私の生まれた少し後ですねぇ~生後2ヶ月ほど…
その4年前の1965(昭和40)年に開通していた
名神高速道路(名神高速)とも小牧ICで接続し
東京と西宮の536kmが高速道路で結ばれ
関東・中京・関西を結ぶ日本の大動脈となっています。
私もクルマ持っている頃は
東京ー広島間を高速でよく行き来しましたし
一度はバイクで往復したこともありました。
小さなバイクだったしあれは本当にしんどかった…(苦笑)
でも高速道路って本当に偉大ですよね…
確かに渋滞することもありますが
下道と比べれば所要時間も快適さも雲泥の差です。
また休憩がてらに立ち寄るSAが楽しいのですよねぇ
私はもうクルマ持つ予定が今のところないから
今やそんな長距離移動は無縁となってしまいましたが
たまには少し大きなクルマで
どーんと遠くに行ってみたいとは思います。
本当にその気になればレンタカー借りればいいのか…

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフ「ペンF」の改良版で
巻上ストロークがダブルからシングルになり
第三反射面のミラーをハーフミラーに変更し
CdSにも光を送り露出計を追加装備しています。
さらに「F」では花文字のあった前面部に
セルフタイマーも追加装備しています。
それ以外にも巻上部やファインダー部にいろいろと
変更も加えられています。
個人的には改良後の「FT」が何にしても良い!とは思っておらず
「F」にも「FT」にもそれぞれ良さがあると思っています。
あとは使う人のスタイルや好みによる…と思っています。
ただ「FT」は露出計を追加したことで
露出計に関するトラブルはかなり多いです。
「ペンFT」に限ったことではなく
「露出計関連」のトラブルは
露出計搭載のカメラでは故障する可能性のかなり高い部分なので
これは致し方ないですね。

お預かりの「ペンFT」も露出計が全く動かない状態です。
もちろん新しい電池を入れても動かない…という状況ですが
それより前にまず電池室の蓋が強烈に固着して
全くビクとも開かない状態でした。
これも古いカメラではたまにあるトラブルですね。
力任せに無理に開けようとしても
舐めてしまうのが関の山なので
溶剤や潤滑油を使って時間をかけて開く状態にしていきます。
こういうのは本当に焦りは禁物です。
浸透するのを待っている間は他のことをして
いったん忘れていたほうが良いかと思います。
そうして大した力を加えることもなく
もちろん部品にダメージを与えることなく開いたのですが
意外と中は見た目にはキレイでした
真っ黒に腐食した水銀電池が
ゴロンと出てくるとかとも思ったのですが…
それでも端子や配線はかなりダメージを受けていて
とても導通するような状態ではありません。
まずはkのあたりをしっかり整備してから
露出計の動きを確かめていきます。
CdSの状態はともかくとしても
とりあえじ露出計本体は電気さえ流れれば動作していることは
別途に確認済みです。

シャッター周りは一応一通り動いてはいますが
やはりたまにミラーアップしたままに
なってしまうことがあるようです。
これもペンF系ではお馴染みのトラブルですね。
動きが悪くなりやすくなる箇所はわかっているので
そのあたりを中心に一通りの整備を行っていきます。
ところで余談ですが
お預かり時にストラップが付いているカメラは
作業時に引っかける可能性が高いので
必ず作業前に外します。
今回もそうなのですが
ただ今回はストラップの両端は接着剤留めされているうえに
三角環部分もカシメのカバーで留められていて
ストラップが外せない状態でした。
そのため今回は三角環を通す吊り金具からいったん外しています。
ここはネジが固いことが多いので
外すのも少々手間なのですが
それでもストラップはどうしても作業の都合上外したいのです…

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日は「シーチキンの日」だそうですよ。
いわゆるツナ缶ですね。
国内だけでも様々なメーカーからツナ缶が出ていますが
それらを代表する商品ですね。
日付は「シーチキン」の製造販売を手がける
はごろもフーズ株式会社の創業日である
1931(昭和6)年5月25日が由来となっています。
同じような価格ならやはりはごろもの「シーチキン」を
いまだに買ってしまいます。
いろいろな調理にも使えますし
そのままでもご飯のおかずにもなるし
お酒のつまみにもなりますものねぇ
なんだかんだで常に数缶は常備しています。
そういえば昨日のブログで卵焼きの話をしましたが
うちのばあさんが一時期、シーチキン入りの卵焼きを
やたらとお弁当に入れていた時期があって
私もそれを喜んで食べていましたねぇ
さすがにこの場合は甘さを抑えた卵焼きで
そこも少し新鮮だった記憶が…
長らく味わっていない味だけど
自分でも同じように作れるかな…
今度やってみます!懐かしい味に再会できるかも!!!

さてさて

今日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
「プロの使用に耐えうる最高級機を開発すべし」という使命を受け
5年の開発期間を経て1971年に発売された
キヤノンの社運を賭けたフラッグシップ機です。
結果としては商業的にも大成功で
レンジファインダー機の名機をいくつも製造していたため
一眼レフの開発には大きく立ち遅れていたキヤノンが
一眼レフのメーカーとしてもトップに並ぶことになりました。
ライバルは言わずとしれたニコンF2ですね。
見た目には対照的なデザインの両機ですが
共通するのは何にでも対応できる高いシステム性と
過酷な条件にも耐えうる堅牢性です。

高級機でもあることもあり
長らく死蔵されている個体でも保管状況が良いものが多く
とりあえずは動作している個体が多いのは
F-1、F2、両機に共通する部分ではありますが
さすがに登場から50年以上経過したカメラです。
そのままの状態では健気に動作はしていても
本来の動きでないことがやはり多いと思われます。

今回お預かりしているF-1は長らく死蔵されていたものではなく
おそらく比較的近年にそれなりに
手は入れられているのではないかと思われます。
最低限、モルト類は交換されている形跡が確認できます。
それでもやはり高速シャッターの精度はイマイチですし
露出計にもそれなりにズレが見られます。
巻上からも油切れの兆候が見てとれます。
手が入っている…といってもモルト交換のみかもしれないですね。
動き的な問題は当然として
ご依頼者様からもご指摘されているのですが
ファインダー内露出計表示が少々おかしなことになっていて
通常、露出計範囲外の目印となる上下の赤い指標がありません。
(低速シャッター時に連動範囲外を知らせる赤い指標ではなく
常時両端に表示されている赤い指標)
その指標と部品的にはセットになっている
BCに使用する四角い出っ張りもファインダー内に見えません。
あまりこの部分が脱落するなんて見たことがないのですが…
外れて内部に落ちているのか
分解歴があって何かの間違いで外してしまったのか…
おそらく自然に外れたものかとは思われますが
ちょっと取付位置的にも難儀な場所なので
少し苦労するかもしれません。

 

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
赤指標、見つかればいいのですが…
なければ部品取りから移植で対応します。
シルバーの設定がないので
イメージ的に刷り込まれているのもありますが
F-1は本当に黒が似合うカメラですね。
また旧書体のキヤノンロゴも黒字に白文字が似合う気がします。
今でも非常に人気が高いのは
やはりこの文句なしのカッコよさも要因の一つだと思います。

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フジカ35EEのカメラ修理

今日は「伊達巻の日」だそうですよ。
「伊達巻」というと意外と伝わりにくいかもしれないですが
姿かたちを見れば「あーあれかー」となると思います。
卵焼きのちょっと高級なヤツ(なんと適当な説明(笑))ですね。
溶き卵に白身魚のすり身とだし汁を入れてよく混ぜて
焼き上げて巻き簾(まきす)で巻いて形を整えたものです。
おせち料理や高級な仕出し弁当とかに
よく入っていますよね!
…でも…「伊達巻」なんて長らく見ていないし
もちろん口にもしていない気が…(苦笑)
まぁじじいの一人暮らしだし
おせち料理とかに今や縁がないものですねぇ
甘めに仕立てられていてふわふわで美味しいですよねぇ
普通のだし巻きとかなら食べる機会も多いのですが…
ところで普通の卵焼きにしても
甘めに仕上げる家としょっぱめに仕上げる家に分かれると思います。
うちのばあさんは典型的な「甘い卵焼き」だったなぁ
小学校の頃とかにお弁当のおかずを交換することとかがあって
しょっぱめの卵焼きを食べたときに
結構なカルチャーショックでした(笑
子供の頃に馴染んだ味は抜けないもので
今でもやはり卵焼きは甘いほうがいいですねぇ…

さてさて

本日は「フジカ35EE」のカメラ修理を行っています。
独特の操作系を持つ「フジカ35シリーズ」の一員です。
最初の「フジカ35」がベースになっている後継機で
初代「フジカ35」→「35ML」→「35SE」そして
今回の「35EE」へモデルチェンジが行われています。
「35EE」は1961年発売です。
このモデルからその名の通り
「シャッタースピード優先オート」が搭載されています。
セレン光電池式露出計の指針を挟み込み
指針の位置によって絞りを制御するお馴染みの構造です。
もちろんマニュアル露出も可能です。
ちょっとおもしろいのはオート時には指針を挟み込む費用があるため
レリーズストロークがかなり長く必要になってくるのですが
そのためにオートに切り替えた際に
レリーズボタンがポンと上に伸びてきます。
マニュアルにすると押し込んだ際に通常の低い位置に押し込まれた状態で
ロックがかかり通常のストロークになります。
オート時にストロークが長いのはしかたがないとしても
マニュアル時もストロークが長いままであることを
良しとしなかったわけですね。
なかなか凝った造りになっています。
巻き戻しクランクが側面に付いていたり
ピント調整が背面のダイヤルで行う形式だったり
巻上レバー&フィルムカウンターは底面だったりと
独特の操作系は初代35から受け継ぐ形となります。
なかなか面白いカメラです。
奇抜な操作方法とは裏腹に基本性能もしっかりとしたカメラで
シャッターはレンズシャッターではめずらしく
最高速は1/1000まであります。
ファインダー内もハーフミラーではなく
贅沢にプリズムが使われていてその見えかたは非常にクリアです。

お預かりしている「フジカ35EE」はシャッターは
若干の粘りがあるものの一通りは動作しています。
心配されるのはやはりセレン光電池ですが
こちらはほぼ問題なく起電できているようです。
露出計の値もほぼ問題がなく
オート精度も若干の調整で問題ないレベルにできそうです。
自慢のファインダーはさすがにプリズム表面に
かなりのカビや汚れが付着していて
あまり良い状態ではありません。
二重像も大きく縦にも横にもズレている状態です。
しかしながらこのあたりは清掃と調整で何とかなりそうです。
ピント調整は例の背面ダイヤルですが
最短距離(最もレンズが繰り出された状態)から
無限遠(レンズが最も引っ込んだ状態)に動かそうとすると
何か大きく引っかかって途中で動けなくなってしまいます。
ガチャガチャやっていると何かの拍子に無限遠まで引っ込むのですが
構造上、ヘリコイドを直接リングで回す通常の形式より
ちょっとしたことで引っかかりやすいのだと思われます。
おそらく動作を滑らかにする処置と
鏡胴の調整で改善できると思われます。

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備を行っていきます。
フジカのカメラは全体的に
華奢な部分も多いので
何を行うにしてもより慎重に作業を進めていきます。

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