月別アーカイブ: 2023年11月

リコーフレックスミリオンのカメラ修理

今日は「のど飴の日」だそうですよ。
いろんな飴を作ってお馴染みのカンロさんが
制定した記念日です。
1981(昭和56)年11月に
日本で初めて商品名に「のど飴」と名の付く
のど飴「健康のど飴」をカンロが発売したことに由来しているのだそうです。
乾燥する季節でもありますし
のど飴が欲しくなることもこれから多くなってきますね
カンロ…といえば濃い茶色で大きな丸い「カンロ飴」が
子供の頃から馴染みがあって一番に浮かぶのですが
これ今でも現行商品で販売されているのですね。
隠し味に醤油が使ってあって絶妙な甘じょっぱさがいいのですよねぇ
懐かしいですねぇ…今度、買ってみます!
カンロさんの商品ではないですし商品名ものど飴ではないですが
喉の飴といえば浅田飴も外せません。
これも昔とほぼ変わらないデザインの缶に入って今でも売ってますね。
実はたまに今でも買っています。
それから昔よく舐めてたのは
「コルゲンコーワトローチ」これももちろん今でも売ってます。
昔はTVCMもよくやってて
CMソングに名曲が多かったのですよねぇ…
曲名まで言い始めると止まらなくなるのでこの辺で。。。(笑

さてさて

本日は「リコーフレックスミリオン」のカメラ修理を行っています。
1957年発売のカメラです。
リコーフレックスⅢから続く
ギアによる前玉回転式焦点調節、
軽量なプレスボディー、中枠を外すフィルム装填といった
大ヒットしたリコーフレックスシリーズの特徴を
引き継いだモデルです。
「Ⅶ」以降のプレスボディのリコーフレックスは
(ダイキャストのダイヤ系は除く)
基本的な構造に大きな変更点はありません。
ただモデルによって搭載されるシャッターユニットが異なったり
中枠を交換することによっていろんなサイズの
写真が撮影できるようになったり、異なるフォーマットの
フィルムが使用できるモデルがあったりはします。
今回のミリオンはリケンシャッター搭載で
B・1s~1/300をカバーします。
レンズは不変の3群3枚リコーアナスチグマット80mmF3.5です。

このタイプのリコーフレックスでは定番ではありますが
大きな特徴でもあるフォーカスギアが
強烈に固着して全く動きません。
加えてシャッター羽根動作も不良で
スローガバナも粘っています。
さらに巻上ノブのネジやプレートが欠落しています。
かなり長い間しまいこんだままとなっていたものと思われます。
眠っている間にいろいろな箇所の動きが悪くなってしまっています。
レンズの曇りやカビもありますが
ファインダーミラーの劣化による曇りもかなり激しいので
ここはミラー交換で対処します。
全体的に隅々まで手を入れて本来の姿に戻していきます。

画像は一通りの整備が完了した状態のモノです。
外像がピカピカで気持ちよくなったのももちろんですが
ピントギアは非常に滑らかに動作するようになり
ここを回しているだけで何ともいいい気持ちです。
シャッターも快調に全速動作するようになり
精度的にも全く問題有りません。
ファインダーも非常にクリアです。
これであればご依頼者様にも
気持ちよく使っていただけると思います。
これから最終テストを行って問題なければ完成となります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
漆器も味わい深くていいものですよね
やはり食器が思い浮かびますが
漆箱とかもいいものです
いずれにしても
あの朱と黒の妖艶な組み合わせがたまりませんね
実家には昔いろいろあったような気がするのですが
気が付けば家に漆器なんて
食器に少しあるだけになってしまいました。
これも高級なものを言い始まれば
魅力的ですがキリがないし、もちろんお高いのですよねぇ…
漆器ではかぶれることはまずないとは思いますが
うちのばあさんが漆でかぶれる体質で
漆器は少し敬遠していました…
山に行くといわゆる「かぶれの木」として
ウルシやハゼの木が有名ですよね。
要は樹液でかぶれるのですが
ばあさんはウルシの木の下を通っただけでも
かぶれることがあるってよく言っていました。
私は生の樹液に触れても何ともないのですが…
でも子供の時は山でじいさんに
「かぶれの木」にはあまり触れるな…ってよく言われてました。
そういうので木の種類とかも
自然と覚えていくのですよねぇ…だいぶ忘れましたが…(苦笑)

さてさて

本日は「リコーオートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
1967年発売のカメラです。
ハーフカメラと言えば「オリンパスペンシリーズ」と
「リコーオートハーフシリーズ」がやはり双璧ですね。
「ペンシリーズ」は「EEシリーズ」で露出のオート化や
ピントの固定焦点等を行ってより簡単に使えるようになりましたが
「オートハーフシリーズ」は初代登場当時から
カメラを使ったことない方にも簡単に撮れるようにと
自動化をいろいろ取り入れたカメラです。
セレン光電池を使用した露出計を搭載、連動させ
露出は基本的に自動露出とし
ピントは2.5mに固定焦点とし被写界深度である程度カバーします。
そして何といってもオートハーフと言えば
ゼンマイを使った自動巻上ですね。
そしてこれだけの機能を搭載しながら
女性のハンドバッグ、男性の上着のポケットに入るサイズの
小型化を目指して作られたカメラです。
少々ずっしりと重さはあるものの非常にコンパクトな上に
スクエアな独特のデザインは現在でも非常に人気の高いカメラです。

今回お預かりしている「SE」は「オートハーフE」に
セルフタイマーが追加されたモデルです。
ご依頼者さまにご指摘いただいているのは
ひととおり動作はしているのだけどピントが合わないということです。
オートハーフのピントは先述したとおり2.5mでの固定焦点です。
前玉回転で調整するためレンズを外すとピント調整が必要です。
レンズ清掃された形跡があるので
以前にこの個体のレンズ清掃を行った方が残念ながら
組間違いをしているものと思われます。
分解してみると案の定でレンズが1回転分浅く入組まれている状態でした。
これではピントの合う位置は0.3mほどになり
ほとんどの場面でどこにもピントは合いません。
印をつけておいて元の位置に組もうとしたのでしょうが
1回転分間違えてしまったものかと思われます。

オートハーフと言えば心配されるのはセレン光電池の劣化ですが
今回の個体はそこに関しては全く問題がなく一安心です。
逆に少し振り過ぎの傾向があったので抵抗で
再調整を行いオートの精度を出し直しています。
そしてオート―ハーフのシャッターは
非常に小さなバネの力で駆動するため
ちょっとした汚れや油分で簡単に固着します。
シャッターユニット内に注油が必要な部分もあるのですが
もちろん量はほんのほんのわずかの最小限にとどめ
シャッター羽根、絞り羽根は入念に清掃を行います。
既に一通りの整備が完了し
少し時間をおいて様子見をしている状態です。
これから最終テストを行って問題なければ完成となります。

ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は11月11日で「1」が四つ並ぶことと
「十一」が並ぶということで
それに関連づいた記念日がたくさん制定されています。
「下駄の日」、「煙突の日」、「おりがみの日」
「鏡の日」、「もやしの日」、「電池の日」
「ポッキー&プリッツの日」、「箸の日」
「チンアナゴの日」、「うまい棒の日」「ベースの日」…等々
いや本当に今日はたくさんありますねぇ(笑
そんな中でも個人的にはやっぱり「麺の日」ですかね。
うどん、そば、ラーメン、パスタ…麺類って
どれも美味しいし大好物だし
これから寒くなる季節にもぴったりですよね!
以前は神奈川県内住みだったし
毎週のように食べていた濃厚な「家系ラーメン」が
食べたくなってきました…
都内でもいろんなお店があるので
その気になればいつでもいけるのですが…
でも今はこうして食べたい気分になっていても
実際に食べるともう1杯が重すぎてしんどいのですよねぇ…
もちろん最高に美味しいのですが…ご飯もつけたくなるし…
脂っこいものが本当に少ししか食べられなくなりました。
(今は全体的に少食でもありますが)
ほんの十数年前はバカみたいに
飲んで食べてができたのに少し寂しいですねぇ

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
「SR-1」のブログになると毎回書いてしまいますが
当時のトップモデルでミノルタ最初の一眼レフは
「1」ではなく前年に発売された「SR-2」です。
数が大きいほうが上位モデルということですね。
わからなくはないしクルマとかでもそういうのはありますが
「1」と「2」だとちょっとわかりにくいですよね(笑
で、これも毎度書きますが
トップモデルの「SR-2」は「SR-3」「SR-7」へ
モデルチェンジしていきますが
「SR-1」はカメラ自体はモデルチェンジしても
モデル名はずっと「SR-1」のままでした。
そのためややこしいのは々「SR-1」でも
「SR-2」ベースのものもあれば
「SR-3」や「SR-7」ベースのものが存在します。
ボディ形状だけでも「SR-1」には4種類のモデルが存在し
これがまた少々ややこしいことになっています。

今回、お預かりしている「SR-1」は
シャッターダイヤルのSS設定が不等間隔で
引き上げて回すタイプ
「SR-1」のロゴは緑色で露出計装着ソケットはナシ
フィルムカウンターは巻き戻しクランク側…ということで
最初期の1959年型SR-1かと思われます。
ベースとなっているのは「SR-2」で
シャッタースピード1/1000が省略され
最高速が1/500になっていること以外はほぼSR-2と同一です。
SR-2系ならではの少し丸みのあるボディ形状が
何ともレトロでよい感じです。
この年式のSRにだとシャッター幕が劣化して
ボロボロだったりガチガチに硬化している場合も多いのですが
今回の個体はシャッター幕自体は問題ない様子です。
ただ、幕の動きは全然ダメでかろうじて最後まで走りきるものの
ミラーをダウンさせるまでの勢いはなく
頻繁にミラーアップが起こります。
もちろんシャッタースピードの精度は全く出ていません。
さらに巻上も含め各部の動きが非常に重く
あまり無理に動かしていると他のトラブルを呼びそうです。

とにかくできる限り分解して
機械的駆動部を清掃注油し
本来のスムーズな動きを取り戻していきます。
画像は上カバーを外しただけの段階ですが
外装のネジもかなり強烈に固着していて
なめたりねじ切ってしまったりしないように
溶剤や油を使いながら慎重に分解を進めていきます。
装着されていたオートロッコールPF55mmF2レンズも
ヘリコイドが固着気味でレンズにカビもあかなりあるので
ボディ側が終わったら一通りの清掃整備を行います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

11月は語呂合わせで「いい〇〇の日」が
毎日のように制定されていますが
今日も「いい友の日」や「いい頭皮の日」とかがありますね。
で、そんな中に「いい音・オルゴールの日」があります。
日付は「いい(11)おと(10)」(いい音)の語呂合わせです。
1796年にスイスで発明されたオルゴールは
太平洋戦争後に長野県の諏訪地方で作られるようになり
「いい音」を目指し続けた高い技術から
半世紀にわたり世界のトップシェアを誇っているのだそうです。
長野県下諏訪町の「諏訪湖オルゴール博物館奏鳴館」
(現:「日本電産サンキョーオルゴール記念館 すわのね」)が制定しています。
実は毎年のように11月10日に「オルゴールの日」をみかけては
部屋や仕事場にオルゴールがあって
たまの気分転換に音色を楽しむっていいなぁ!と思って
いろいろ調べ始めるのが年中行事になりつつありますね。
そしてそのオルゴールの世界の奥深さと
本格的なモノのすばらしさを垣間見ては
そこでおなかいっぱいになって
実際には買うまでにはいたらない…なんてことを繰り返しています(笑
ネットで見ているとキリがなくなって
結局疲れちゃうのですよね…
実際にお店で見るとまた違うのでしょうねぇ
いけんいけん、よけいな物欲を刺激しなくていいです(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
初代から「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指し
スローシャッターに有利な電子制御シャッターに
大口径レンズ、絞り優先オート露出専用機という
要素はそのままに進化を続けてきた
エレクトロ35シリーズの最終機種にあたるのが
今回の「GX」です。1975年の発売となります。
大柄で堂々とした初代のデザインも魅力ですが
「GX」になると時代を反映して随分と小型化が進みました。
大口径レンズ搭載でレンジファインダー機なので
シリーズ最小の「MC」ほど小さくはありませんが
充分にコンパクトに仕上げられていると思います。
非常にギュッとした凝縮感もあって質感も高い
良いデザインだと思います。
今回お預かりしているのはブラック塗装ですが
黒だとなおのこと引き締まった感がありますね。
搭載されるレンズはカラーヤシノンDX40mm/F1.7です。
シャッターは初代から改良を続けられてきた
コパルエレクでシャッタースピードは
4秒~1/500で自動制御されます。
小型化は進んだとはいえ基本的な構造の考え方が
初代とあまり変わってはいないのです。
それだけ最初からある程度完成された設計だったものと思われます。
小型化された影響もあり電池はエレクトロご用達の「HM-4N」ではなく
HM-N(NR52)型水銀電池を使用となっています。
当然ながら現在の環境で使うには
何らかの電池アダプタが必須です。

お預かりしている「GX」は
かなり長い間、眠っていたものと思われますが
保存状態は悪くなく
一通りは動作している状態です。
ただ各接点等に積年の汚れはやはりあるようで
繰り返して測定機で検査していると
かなり動作が不安定なことがあることも判明いたしました。
マグネットの吸着にも少々問題があるようです。
歴代エレクトロ共通の独特の少し青みがかった暗めの
ファインダーは「GX」も受け継いでいます。
やはり少し曇りがあるのと距離計のズレもあるので
一通りの整備調整を行っていきます。

ここまではなんてことはないのですが
これから前板・シャッターユニットを分離して
各部接点の清掃やシャッターユニットの整備にかかると
なかなか大変な作業です。
それでも初代からそうですがとにかく配線が多くて
少しややこしいものの整備性自体は悪くはありません。
小型化されても整備性は考えられている構造です。
ここからは集中して細心の注意を払いながら
作業に取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は11月9日、「119番の日」だそうです。
乾燥する日も多くなってきて
より一層、火事には気をつけなくてはいけない季節になっていきます。
火事もそうですが個人的には救急の「119番」のイメージが強いですかね。
50数年生きてきて救急車に乗せられたことは3度ありますが
一番直近で唯一、自分で救急車を呼んだのが
頭がいかれて立ち上がれなくなった3年半前です。
処置する時間によって以後の症状に影響が出る
一刻を争う状況の中、電話して5分もかからずに
来てくれてそれから5分もかからずに病院まで連れて行ってくれた
救急隊員の方たちには本当に感謝しかありません。
おかげさまで後遺症は多少あるものの何とか無事に生活できています。
でもこれ以上はお世話になることのないよう
日常から気をつけたいと思います。
ところで火災報知の電話サービスが
1926(大正15)年に導入された時の番号は「112番」だったそうです。
当時はダイヤル式の電話であり
一刻を争う緊急のためにダイヤルを回す時間の短い番号として指定されました。
しかしながら意外とかけ間違いが多く、
翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
あえて最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
「110番」も同じ理由だそうです。
ダイヤル式の電話ならではですね。
「0」が一番回す位置が遠いって知らない方のほうが
きっと今は多いのでしょうね…

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフの最高峰と言われることも多いカメラです。
ロッコール75mmF3.5レンズの優秀な写りや
ビューレンズ上部集中表示で
設定の確認がしやすい絞りとシャッタースピード
最高速1/400で非常に安定した動作をする
シチズンMXVシャッターユニット
腹切り型でクイックにも微調整にも対応できるピントレバー
スタート合わせ式のセミオートマットのフィルム装填に
これまた操作性の良いクランク式巻上
フィルム平面性確保のためフィルム送りが通常とは逆の
「上から下」へのフィルム送り
特徴や利点を数え上げるとキリがありませんが
フィルム送りの向き以外は他の二眼レフでも
見られる機能ではあるのですが
これを全てうまくまとめ上げた二眼レフは
オートコード以外にはなかなか少ないと思います。
そういう点からも「国産最高峰」と言えるかと思います。

今回お預かりしている「オートコード」は
1957年発売の「RA」型かと思われます。
元々は普通に使えていたそうなのですが
少々無理な巻上操作を行ってしまったそうで
それ以降シャッターが切れなくなったということで
当店にやってきました。
現状を確認するとレリーズできないのではなく
シャッターがチャージできないのではないかと思われます。
無理な力が加わったことでチャージ関連のどこかの部品に
不具合が出てしまったのかと思われます。

画像は取り掛かり始めのモノですが
まずはシャッターユニットとボディ側巻上機構の
リンク部分が見えるところまでこれから分解していきます。
やはりチャージリンク部品は一部破損と変形が見られます。
そしてシャッターユニットの取り付け位置自体も
わずかにズレてしまっているようです。
これが原因でチャージが完了しないようです。
シャッターユニット本体には大きな問題はないようですが
絞り羽根、シャッター羽根には若干粘りが見られるので
ユニット内の整備ももちろん一通り行っていきます。
後からわかったのですがレリーズボタンリンク部にも
少々変形が見られチャージができても
レリーズができない…という症状も出てしまっているようです。
いずれにしても致命的な破損や変形ではなく
どれも問題なく修理できそうです。
いろいろなパターンで動作確認しながら修理調整を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが完成したことが
由来となっています。
そのアパートは「上野倶楽部」という名前で
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートだったそうです。
上野公園に隣接していて、洗面所・浴槽・電話は共同だったとのこと
なかなかモダンな感じだったのでしょうねぇ
それまではアパートに該当するモノは
いわゆる「長屋」だったのですかね。
私の生まれ育った実家も長屋でした。
現在、私が住んでいるのも賃貸アパートです。
話がそれますがたまに無性にどこかに引っ越ししたくなるのですよね(笑
いや、全然今の環境に不満なんてないのですが
単に気分を変えたいだけなのです。
まぁ実際は仕事もお店もありますし
そうそう簡単に遠くに引っ越すわけにはいかないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、AE-1やAE-1Pの修理が多いですね。
大ヒットしたカメラですし現存台数も多いので
不思議ではないのですが…
1976年発売で「キヤノンAシリーズ」の初号機となったカメラです。
以降、発売される「Aシリーズ」のカメラは
基本的な構造は全てこの「AE-1」がベースとなっています。
「AE」と聞くとオート露出(Automatic Exposure Contorol)かと
想像してしまいますが
「AE-1」の「AE」は Total Automatic System By Electric SLR Camera の
意味を持ち「1」は電子制御カメラとして頂点の意味を持つのだそうです。
それだけキヤノンとしては社運を賭けた1台だったことに間違いはなく
電子、精密機械、光学、コンピュータの技術を統合して開発されたカメラです。
実際にマイクロコンピュータ搭載はこのカメラが世界初となり
キヤノンが電卓やコピー機等で培った技術も随分生かされているのだそうです。

お預かりしている「AE-1」は
たびたびシャッターが切れなくなるとのことです。
当店で受け付けた時点でも何度かシャッターを切っていると
突然レリーズに反応しなくなることが何度もあり
何回かレリーズボタンを押したり
少し放置してから再度試してみると普通に切れる…という様子です。
切れないときにも露出計は反応しているので
電源が入らないとかレリーズ機構・SW部の問題ではなく
マグネット周りの問題かと予想されます。
定番のシャッター鳴きはほとんどなく
機械的にはそれほど動きは悪くないという感じですが
動作している間にシャッタスピード計測を行ってみると
やはりかなりSS精度は不安定です
それ以外の要因でオート時の絞り制御もかなり不安定です。
いずれにしても接点や機械動作部分の一通りの整備が必要かと思われます。

もう見慣れてはいますが
AE-1登場以前の機械制御カメラとは内部の様子が全く異なります。
でもあくまでもこの時代は電子化されているのは制御部のみなので
機械的に動作する部分は意外と大差なかったりします。
加えてこのAE-1の時点では制御的にもアナログな部分も結構残っていて
以前も書きましたがSSダイヤル部からの連動は糸連動だったりします。
いろいろと厄介な部分もあるカメラではありますが
それでもこの種のカメラとしては整備性はかなり良好なほうです。
それはいいのですがこのAE-1、
かなり初期の個体かと思われますが
ハンダの処理が全体的に結構雑で
一部配線やハンダ付け部にダメージがあったり
それを補修している形跡が見られます。
必要に応じて対策や配線の交換をしておかないと
他のトラブルを呼びそうです。
いずれにしても今回も慎重に慎重に作業を行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「いいりんごの日」だそうですよ。
「いい(11)りんご(5)」と読む語呂合わせからだそうです。
スーパーにも普通にりんごが並ぶ季節になってきましたね。
私が毎晩のように立ち寄るスーパーでも
定番の青森県産「ふじ」が売られています。
2週間ほど前まではちょっとお高い価格だったのですが
今は値段も落ち着いてきて比較的普通の価格かと思います。
私も結構な頻度で買って帰ります。
果物って身近に季節を感じる食べ物で
旬のモノはどれも比較的手軽なお値段で
とっても美味しいですよねぇ
リンゴはまさに冬の果物の王様だと思います。
りんごというと赤いものをやっぱりイメージしてしまいますが
黄色いものも美味しい品種がいろいろあります。
よくみかけるのは黄色いトキリンゴとかですかね
これもジューシーで美味しいのです。
今日も仕事終わったらリンゴ買って帰りましょう!

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
「OM-1」の初期モデルですね
「オリンパスMシステム」、「オリンパスM-1」として
一眼レフカメラシステムをスタートさせましたが
「ライカMシリーズ」を展開していたライツ社から
クレームもありネーミングを「OMシステム」
及び「OM-1」に変更されました。
ただ初期の製品は「Mシステム」「M-1」のまま発売され
1972年7月の発売から1973年5月に改名されるまで
「M-1」のボディは約5000台が発売されたと言われています。
個人的な見解ですが5000台の割には
見かけることが多いような気がします。
刻印されている名前が「M-1」なだけで
中身的には初期の「OM-1」と変わりません。

お預かりしているM-1はかなり長い間使われずに
しまい込まれていた個体だということです。
やはり動きが悪い部分が散見されます。
まずシャッタスピードの精度が出ておらず
1/1000・1/500は開ききっていない状態です。
この状態で1/1000を使って写真を撮ると
写真の2/3が真っ黒になってしまう状態です。
スローもガバナが粘り気味でかなり不安定です。
そして定番のプリズム腐食といったところです。
今回は電池はしっかり外して保管してあったようで
電池室に大きなダメージはないようです。
ただ念のため電池室からの配線は交換しておきます。

プリズム抑えのバネが4本バネなのも
M-1及び初期OM-1の特徴ですね。
その4本バネの後方、プリズムと接眼レンズとの間に
モルトが貼られています。
画像でも確認できますがボロボロに劣化しています。
これだけボロボロな割にはプリズムの腐食は
比較的小さいのですがいずれにしても
せっかく分解整備を行うので
ご依頼者様とも打ち合わせの上、プリズムは交換で対処します。
OM-1はその軽量コンパクトさを実現するため
内部には比較的プラスチック部品も多いのですが
初期のOM-1やM-1はそのプラスチック部品が
劣化して脆くなっている場合も多いので周囲が必要です。
ただ今回のM-1は保管状況がかなり良かったようで
現時点で確認している分にはその心配もほとんどないようです。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ニコンFEのカメラ修理

今日は「かき揚げの日」だそうですよ。
日付の由来は「かき揚げ」は
うどんや蕎麦などの麺類に乗せて食べられることが多いことから
カレンダーで「めんの日」の11月11日の上の同じ曜日となる
11月4日としたものなのだそうです。
「ショートケーキの日」が毎月22日なのと同様の理由ですね。
サクサクのかき揚げって美味しいですよねぇ
確かにうどんやそばの「天ぷら」といえば「かき揚げ」が定番ですが
それって私の勘違いでなければ東日本ならではの習慣ですよね。
今はそうでもないと思いますが昔は西日本で「天ぷらうどん」といえば
「えび天うどん」を指すことがほとんどで
「かき揚げ」は少なかったような気がします。
私が最初に関東に来た時に「天ぷらそば」を頼んで
「かき揚げ」が出てきたときに
ちょっとびっくりした覚えがあるのですよねぇ(笑
「かき揚げ」も「えび天」もどちらも美味しいし
好きなので全く問題はないのですが…
ここでも何度か書いていますが
私、いまだにこっちのうどんのつゆが少々苦手なのですが
近年は慣れてきて「そば」ならありだなぁ…と思っています(笑
駅前の立ち食いソバでいいから「かき揚げそば」食べたくなってきました。
つゆに浸かってしなしなになる前に食べてしまいたいですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラで「ニコマートEL」の後継機にあたります。
「EL」の頃は少々大柄で重さもかなりあり
特に最初のELは電子制御機としても
まだ洗練されていない部分もありましたが
FEになって全く印象が変わり非常に洗練されたカメラになったと思います。
めちゃくちゃ小型化されたわけではないのですが
適度にコンパクトで端正なスタイリングです。
ファインダーもめちゃくちゃ明るいわけではないのですが
適度に明るくて非常にピントの山の掴みやすいファインダーです。
そして2針式の非常に使いやすい露出計表示が何といっても魅力です。
電子制御機ならではの絞り優先オートも搭載し
サクッと簡単に撮り歩くのも
じっくり考えて撮る場合にも
いろんな場面で非常に使いやすいカメラかと思います。
個人的にも好きなカメラの一つです。

お預かりしている「FE」は外観もキレイで
シャッターも露出計も一見問題なく動いているように見えます。
ご依頼者さまのお話では
シャッターがほぼ一定速度でしか切れず
たまにミラーアップしたままになる…とのことなので
測定機でしっかり確認してみると
1/1000~1/60に関しては少々精度にムラがあるものの
まずまず正しい動きをしているようです。
ただし1/30~8sの低速側では全く制御ができておらず
ほぼ全て1/60で切れてしまっているようです。
ご依頼者さまのお話では1割くらいの確率で
正しくスローが切れる…とのことでしたが
当店で預かってからそれなりの回数を切りましたが
一度も正しく切れることはありませんでした。
反対にミラアップに関してはこちらでは一度も症状が再現されません。
いずれにしてもマグネットの制御が上手くいっていないようです。
マグネット自体の吸着の問題か
ミラー周りの接点の不具合ではないかと予想します。
FEで電子回路基板そのものに問題がある場合は
粗悪な分解品を除いてレアケースなので
おそらくそうではないと思います。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この類のカメラでこの類のトラブルは
正直言って「やってみないとわからない」部分も多少あります。
ただFEの場合は100%とはいえませんが
大抵の場合、接触不良や機械的なトラブルなので
今回もおそらく修理可能かとは思います。
いずれにしても集中して細心の注意を払って取り掛かっていきます。
もちろん修理と並行してトラブルの起こりやすい部分の
修理清掃調整も一通り行っていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルチナPのカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
私の生まれ育った町では
11/3が秋祭りの日なのです。(呉の小祭り)
だから11/3には子供の頃の
いろいろな思い出があって何とも懐かしい気分になりますね。
それはさておき「文化の日」に関連して
他にも多くの記念日が制定されています。
「まんがの日」「文具の日」「ビデオの日」
「クラシックカーの日」「レコードの日」…等々
どれも興味をそそるジャンルのものばかりです(笑
いずれもそのジャンルを「文化」として捉えて
今日を記念日に制定しているのですが
この中に「フィルムカメラあるいはフィルム写真の日」なんて
あってもおかしくないですねぇ(笑

さてさて

本日は「ミノルチナP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のコンパクトカメラです。
ミノルチナシリーズは「S]と「P」の2機種が存在しますが
いずれも今の感覚で言うと少し大柄な
当時のコンパクトカメラ(レンズ固定式レンズシャッター機)の
機能を損なわずに小型化が進められたカメラです。
ただ小型化が国内でもてはやされるのは
もう少し後のコニカC35登場以降のことであって
この頃はある程度の高級感の演出のために
ある程度の大きさと重さが必要…と思われていた時代なのですね。
(特に本格志向のマニュアル機に関しては)
そんな時代背景もありミノルチナシリ―ズ両機は
当時は商業的には少々苦戦を強いられました。
現在では両機とも小さくて質感が高いということもあり
なかなかの人気ぶりなのですが…マーケティングって難しいですねぇ

今回は「S」の弟分にあたる「P」を扱っています。
レンズはロッコール38mmF2.8を搭載
距離計は省略し目測とし、シャッターユニットは
プログラムシャッターのシチズンPです。
シャッターと絞りの組み合わせはシャッターユニット任せで
セレン式の露出計指針を露出制御のLVリングと連動する
指針を合致させ露出を決定します。
「S」が本格派のマニュアル専用機であるのに対して
「P」はより軽快に簡単に撮影ができることを重視したカメラです。
「S」よりさらにさらにコンパクトで
デザインも非常に洗練されたもので
今見てもなかなかカッコいいカメラだと思います。

お預かりしている「P」はまず裏ブタが閉まりません。
手で押し込んでいくと「パクン」と閉まる音はするのですが
ロックされることなく手を離すと開いてしまいます。
ボディ側の受け部分を開いてみてみると
ピンを受ける爪の部分が
以前に強引に押し付けられたような形跡があり
変形してピンが挟み込めないような状態になっています。
それほど大きな変形でもないので
慎重に形状を元に戻して閉まるように修理を行います。
そして裏ブタは何とか閉まるようになったものの
今度はフィルムカウンターが全く動かないようです。
これも以前にショックを受けたせいと思われ
一部の部品が変形してしまっています。
ここも大きな変形ではないので修復と調整を行います。
さらに次はセルフタイマーが油切れで固着してしまっているようです。
シャッターユニット「シチズンP」はセルフタイマーを
シャッターユニット内には持っておらず
セルフタイマーユニットは底部に別途配置されています。
こちらも洗浄注油で対応していきます。
シャッター自体は多少の粘りが確認できますが
一応は切れている状態です。レンズ・ファインダーには
多少のカビや拭き傷が見られますが
できる限りの清掃を行っていきます。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
ハイマチックやユニオマットに比べるとコンパクトではありますが
構造がシンプルなこともあり整備性は良好です。
気持ちよく撮影に使えるように入念に作業を行っていきます。

コニカⅡのカメラ修理

今日は「書道の日・習字の日」だそうですよ。
「11」と「02」で
「いい(11)もじ(02)」(いい文字)と読む語呂合わせからだそうです。
私はあまり字がキレイなほうではないですが
キレイな字が書ける人っていいですよねぇ
性格の几帳面さや丁寧さが感じられるような気がします。
ただ現在は昔ほど「字を書く」機会は少なくなってしまいましたが…
習字と言えば小学校2年生から小学校卒業までは
週に1回、近所に習いにいっていました。
通っている友達も多くいて楽しいことも多かったですが
しんどい面もありました。
…というのも私、左利きなのですが
習字教室では右で書くように指導されていたのですね。
入ってから1年くらいは硬筆で2年目からは毛筆で…
まぁ結論から言うと少し遅すぎたようで
全く矯正できなかったのですが…(苦笑)特に硬筆!
ひじを浮かせて書く毛筆(大筆)は慣れもあって
右で書くのも苦にならなくなったのですが
腕をおいて細かく書く硬筆や小筆は右だと超下手くそで
かなり当時も苦労しました…(笑
小学校卒業と同時にその習字教室はやめたのですが
中学校に入ると今度は学校で毛筆があるのですね。
そこでは左右どっちで書こうと自由だったのですが
その頃には大筆は右で小筆は左で書く変則になっていました。
小筆(大体半紙の左側に名前を書く)は
左のほうが肘も着きやすくて楽なんですよね。
昨年、何を思い立ったか筆ペンで少し字の練習(もちろん左で)をしましたが
まぁ普段から頻繁に書かないとダメですね。壊滅的でした…(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅡ」のカメラ修理を行っています。
1951年発売のカメラです。
一般向けコニカブランド初のカメラ「Ⅰ」の後継機です。
搭載されるレンズはヘキサノン50mmF2.8で
ダブルヘリコイドを搭載し、無限遠から
さらに鏡胴を縮めてレンズを格納できます。
一種の沈胴式なのですが縮められるのは少しなので
「格納」とまでは言えないかもしれません。
シャッターユニットはコニラピッドSを搭載し
B・1s~1/500をカバーします。
シャッターユニットのチャージレバーを引き上げて
シャッターチャージするのは「Ⅰ」と同様ですが
レリーズはボディ側のレリーズボタンでできるようになりました。
このレリーズボタンはフィルムを巻き上げないと
レリーズロックが解除されないのでここで二重露光防止となっています。
意図的に二重露光を行いたい場合はシャッターユニットの
レリーズレバーを直接操作して対応します。
それでもいわゆる「セルフコッキング」は
次の「Ⅲ」での搭載で「Ⅱ」ではボディ側に
レリーズボタン搭載はされましたが
フィルム巻上とシャッターチャージはそれぞれ別に操作が必要です。
フィルム巻上も巻き戻しもまだノブ操作です。
そういった手間が少し必要なのは魅力でもあるのですが
個人的には巻き戻しだけはクランク式が圧倒的に良いですね。
ノブの巻き戻しはさすがに手間で力が必要なだけのような気もします。

お預かりしている「Ⅱ」は全体的に
操作系および駆動部分の動きが良くないようです。
ご依頼者様からはSSリングの1/500への移動が重い…というご指摘を
いただいていますがもともとコニラピッドSの1/500は
セイコーシャラピッド等と同様に1/500専用の別バネを
駆動する必要があるので1/500への入りは少し重く
チャージしている状態だと他SSから1/500へは入れません。
ただ、言われるのもごもっともでリリース状態なのに少し重すぎる…ことと
全体的にSSリングの動きがかなり重いようです。
絞りリングもかなり重めです。
加えてチャージレバーも重いです。
操作系全てが積年の汚れ等の影響で重いようです。
加えてスローガバナは1秒、1/2秒時には完全に固着で
1/4以下でもかなり粘って重々しく動作しています。
シャッター羽根にはめだった粘りはありませんが絞り羽根は少し粘り気味です。
そしてファインダーはかなり汚れていて見えも良くない状態です。
やはり全体的に動きを本来の状態にする整備が必要です。

本格的分解整備に取り掛かる前に
スローガバナの動きもそうですが全体的にシャッターユニットの
動きをチェックしておきます。
SSリングとの連動部の動きも確認するのですが
やはり全体的に各部品の動きは悪いようです。
SSリングの重さの原因もやはり汚れによるもののようです。
微妙なリング変形とかではなくて一安心です。
ある程度現状の確認もできてどう整備・修理していくかの
イメージもしっかりできたのでこれから
本格的に分解整備に取りかります。
まずはシャッターユニットを降ろるところから始めていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。