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コニカC35のカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
平安時代に文徳天皇の第一皇子・惟喬親王が
京都・嵐山の法輪寺に参籠し
その満願の日のこの日に「漆(うるし)」の製法を
菩薩より伝授されたという伝説からなのだそうです。
漆塗りの食器とかは何とも言えない温かみがあって
いいですよねぇ…輪島塗とかが有名ですね。
食器だけではなく家具とかにも漆塗りはあります。
高級すぎて縁がないですが…(苦笑)
紅葉のシーズンですがウルシノキも黄褐色に色づきます。
昔は里山でよく見かけました。
ただ、カブレノキとも言われますが
ウルシノキから出る「ウルシオール」でかぶれる方も多いですよね。
うちのばあさんもダメでウルシノキの下を通っただけでも
かぶれるほどでした…
乾燥した漆器ではそんなことは起こりませんが
生木には体質によって注意が必要です。
私自身は全く問題なウルシノキにも普通に触ってました
(もちろん幼少時代のことなので今はわかりませんが)
ウルシでかぶれる体質の方は
山火事でウルシなどの木が燃えた場合、
その煙を吸い込むと気管支や廃内部がかぶれて
非常に危険なことになる場合もあるそうです。
アレルギーって怖いですよね…

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
いわゆる「じゃーに~コニカ」ですね。
旅行に連れて行くのに最適なコンパクトなカメラということで
つけられた愛称ですがテレビCMの効果もあり
大ヒット作となりました。
この「コニカC35」の大ヒットにより
ハーフサイズ並みの軽量コンパクトなボディに
誰でも簡単に撮影できるオート露出の組み合わせのカメラが
各メーカーから次々と発売されることになりました。
ミノルタハイマチックやヤシカエレクトロ35、キャノネットあたりが
シリーズ中期から一気に小型化されたのも
コニカC35の影響かと思われます。
それほど「C35」の登場及びヒットは
それ以降のコンパクトカメラに影響を与えることになりました。

小さくても写りの秀逸なヘキサノン38mmF2.8レンズを搭載し
CDS使用の露出計と連動しプログラムオートで撮るカメラです。
それでもしっかりと距離計は搭載し
ピント合わせはきっちりと行うことができます。
個人的に好きなところは
考え方によっては一長一短だとは思いますが
光量の過不足による余計なシャッターロックを備えていないことで
光量不足で露出計が全く振れていなくても
とりあえずはシャッターを切ることができます。
すなわち電池切れで露出計が動いていなくても切れてしまうので
電池切れに気づかずに真っ白な写真を量産してしまう可能性もあるのですが…
それでも暗いとわかっていても近代のネガフィルム性能の良さに賭けて
とりあえずはシャッター切りたい場面ってあると思うので
個人的には光量不足のシャッターロックはなくても良いかと思います。

話がそれましたがお預かりしている「C35」は
その露出計が電池入れても全く動きません。
電池室自体は比較的キレイなのですが
裏側を探ってみるとやはりマイナス側の端子裏で
配線が断線している状態です。
過去に水銀電池を長期間入れたままの期間があったものと思われます。
放置されている「C35」の大半は露出計に
何らかのトラブルを抱えているものと思われます。
そうなるとオート露出にダイレクトに影響するので
やはり本来の撮影はできない状態かと思います。
レンズは比較的キレイですがファインダーはかなり曇っていて
フォギーフィルターを付けて見ているかのような状態です。
シャッターは一応は切れていますがやはりシャッターの動きには
粘りが見られます。駆動部の汚れによるものと思われます。

非常に小さなボディですが
構造はシンプルで非常に整備性の良いカメラです。
これから露出計修理も含めて
各部点検整備一式を行っていきます。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は11月11日…「1111」の形にちなんだ
記念日がたくさん制定されています。
「煙突の日」「ポッキー&プリッツの日」「箸の日」
「下駄の日」「チンアナゴの日」「もやしの日」
「鏡の日」「靴下の日」「下駄の日」「配線器具の日」…
まだまだたくさんあってキリがありません…(笑
そんな中に「めんの日」がありますねぇ
麺類はどれも美味しいですし
これからの季節温まるにも持って来いのモノが多いですよねぇ
うどん、そば、ラーメン、パスタ…どれも大好物ですが
これからの季節はガツンと濃い味のラーメンが食べたくなりますね。
…とはいいながら寄る年波のせいもあって
あまり濃い味のラーメンは一口目こそめちゃくちゃ美味しくても
身体が受け付けなくて最後までは
なかなか美味しく食べられないのですよねぇ
でもそんな私が一杯なら最後まで美味しく食べられる
ちょうどよい味の濃さの家系ラーメンのお店があるので
明日(定休日)あたり行ってみようかと考えています。
そして食後に軽く甘いモノが欲しくなったら
ポッキー買って帰ることにしましょう(笑

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
一時期ほど集中して依頼が入ることはなくなりましたが
相変わらず機種別としては一番修理依頼の多いカメラだと思います。
元祖「軽量コンパクトな一眼レフ」ですね。
「OM-1」が発売開始となった1972年頃の他メーカーの
主力一眼レフを並べてみると
ニコンはF2やニコマートFTN、キヤノンはF-1やFTb
ミノルタはSR-T101及びSR-Tスーパー
ペンタックスはSPF(コンパクトなMXは1976年)
やはり比べてみると「OM-1」のコンパクトは群を抜いています。
他メーカーも考えなかったわけではないでしょうし
ペンタックスはその後、同じような大きさの「MX」で
このジャンルに参入してきます。
どうしても小さく軽くする分、標準的な大きさの一眼レフと比べると
少々華奢な部分もありますし
(それでも現行モデルだった時代には全く問題有りませんでしたが)
そのあたりはどこを優先するかの問題かと思います。
いずれにしてもいろんな対応のカメラが存在して
選択肢が多いのは良いことだと思います。
「OM-1」は軽量コンパクトなことが
確かに一番のセールスポイントですが
個人的には静かなシャッター音や独特の巻上フィールとかの
「使い心地」の面でも非常に魅力的なカメラだと思っています。

お預かりしている「OM-1」は巻上ができない状態です。
シャッター幕の位置から判断して
シャッターはリリース状態です。
巻上レバーが動かないわけではなく
レバーは動くのですがスカスカで手ごたえがありません。
そしてフィルムも巻上されずシャッターもチャージされません。
フィルム室からスプロケットを指で回していくと
何とかチャージができてまずはシャッターを切ることができました。
しなしながらシャッター幕の動きも明らかに悪く
巻くもキレイに最後まで走りません。
巻上レバーが空回りなのはレバーのラチェット部が
巻上軸に噛まないことが原因だと思われ
それ以外にも幕軸やミラー駆動部等の動きが相当悪い状態かと思われます。
おそらく何十年も動かされないまま
しまい込まれていたものと思われます。
ずーっと寝たきりだったのに叩き起こして全力疾走させようとすると
壊れちゃいそうなのは想像できるかと思いますが
まずは普通に動けるようにゆっくり少しずつ動けるように
清掃整備していく必要があると思います。

これから本カウ的に分解整備に取り掛かっていきます。
SWの内部機構からもわかりますが「OM-1」としては
かなり後期のものかと思われます。
電池室には真っ黒になった水銀電池が残されており
当然ながら配線はボロボロで露出計は不動です。
そのあたりももちろん修理の上で調整を行っていきます。
プリズムはいつものモルト由来の腐食はないのですが
単純に経年劣化で大き目の点腐食が数か所発生していて
それが視野の中心に近くかなり邪魔なので
やはり今回もプリズム交換で対処いたします。

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リコー35デラックスのカメラ修理

今日はわかりやすく「119番の日」ですね。
「一刻一秒を争う消火活動や救急・救助活動の始動のため」に
「119番」通報は重要なものです。
おいそれと利用するものではありませんが
いざという時に非常に心強いですね。
私は過去に2回、救急車のお世話になったことがありますが
どちらも対応が遅れていれば最悪の事態も
考えられた場合だったので救急には感謝しかございません。
あまり利用するようなことは起きてほしくはないですが
この年齢になってくると「ちょっとヤバいかも…」と
思うようなこともたまにあるのですよね…
幸い最近は大変なことにはなっていませんが…(苦笑)
ちなみに火災報知の電話が、1926(大正15)年に
導入された時の番号は「112番」だったそうです。
当時は当然ながらダイヤル式の黒電話であり
一刻を争う緊急のためにダイヤルを回す時間の短い番号として指定されました。
しかし、意外とかけ間違いが多かったそうです。
そこで、翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
警察への緊急通報の「110番」も同様の理由とされているそうです。
どちらも大変な時にかける番号だとは思いますが
こういう時こそ落ち着いて行動したいですね。

さてさて

本日は「リコー35デラックス」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のレンズシャッタ-機です。
搭載されるレンズはリケノン4.5cmF2です。
シャッターユニットはセイコーシャMXで
B・1s~1/500をカバーします。
もちろんレンジファインダーを備えます。
当時としては最高級の機能を持つ
ネーミング通りの「デラックス」なカメラです。
このタイプのレンズシャッター機は巻上がレバーで
レリーズはボタンでもシャッターユニット脇に
チャージレバーやレリーズレバーが露出していることが多いのですが
このカメラではそのあたりもカバーリングしてしまい
高級感の演出に貢献しています。
開けてみるとわかるのですがシャッターユニット側と
鏡胴側で二重にカバーされています。
加えてこの時代には珍しくアクセサリーシューは接点付きです。
いわゆるホットシューですがX接点だけでなく
M/Fにも対応します。現在では使うことはないでしょうが
このあたりも手間がかかっています。

お預かりしている「35デラックス」は
シャッターに若干の粘りがあるものの
動作自体はできています。
レンズは比較的クリアでファインダーも
大きく見えにくいとかはありません。
ただ、ヘリコイドが強烈に固着していて
ピントリングはビクとも動きません。
あまり力に任せて無理をするとロクなことにならないので
時間をかけてゆっくりと緩める処置を起こっていきます。

ヘリコイドは溶剤を使って凝り固まったグリスを
時間をかけて溶かすことから始めます。
それでもそう簡単には緩まないとか思われますが…
並行して降ろしたシャッターユニット側の整備を行っていきます。
ところで巻上レバーは底部にあって
いわゆる「ピストル式」ですが
それなのに底板は裏ブタと一緒に取り外せるタイプです。
裏蓋&底板は左右のノブを緩めて外すタイプです。
35デラックスならではの独創的な部分も結構あり
なかなか面白いカメラです。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「立冬」ですね。
今朝も北風が冷たくて
晩秋らしいキリッとした空気になってきました。
この空気感は好きですがさすがに冷えますねぇ…
秋が極まり冬の気配が立ち始める頃なので「立冬」とされています
暦の上ではこの日から「立春」(2月4日頃)の前日までが
「冬」となります。
でも先程も書いたように「秋の極み」でもあるのですよね。
のこり少ない秋を満喫したいと思います。
「立冬」のい関連した記念日も今日は多く
「鍋の日」「巻寿司の日」「鍋と燗の日」「立冬はとんかつの日」
「夜なきうどんの日」「ココアの日」「湯たんぽの日」等があります。
「鍋と燗」なんて最高の組み合わせですね!
そうだ、そろそろお燗用の日本酒、取り寄せておかなくては…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
1976年発売のカメラです。
シャッタースピード優先オート搭載の電子制御機です。
電子制御もオート露出も機構的には
既に目新しいモノではなかったのですが
普及機としては膨大な機関とと予算をかけて開発され
マイクロコンピュータを搭載した世界初のカメラとなり
これまでにないコストパフォーマンスに優れたカメラとして
華々しくデビューしました。
電子化による超多機能化を謳った「Aシリーズ」の第1号機でもあります。
カメラ本体の高機能化もさることながら
ワインダーやズームレンズ等のそれまではプロ御用達だった
アクセサリー類を一気に身近な存在にしたカメラとも言えます。
キャッチフレーズは「連写一眼」
いうまでもなく大変なヒット作となりました。

現存台数も多く使いやすいこともあって
当店にも修理依頼の多いカメラです。
電子制御の権化のような扱われ方もしますが
まだこの時代はいうほど中身は電子制御的には
まだまだ過渡期でアナログ的な部分もたくさんあります。
以前も書きましたがシャッターダイヤルからの連動は
まだ糸連動だったりします。
それでもアナログ的な良い部分と電子制御が
上手く融合したカメラでもあり
整備性もこの類のカメラとしては非常に良好です。
そして電子制御的な部分に関してのトラブルは
かなり少ないカメラです。

お預かりしている「AE-1」はたまにレリーズできなくなるという
症状でお預かりしています。
今回は定番ともいえるシャッター鳴きはございません。
おそらく原因はマグネット周りの汚れ等だと思われます。

受付時には気づけなかったのですが
実はレリーズの問題よりも
「レリーズ時にレンズが絞り込まれない」というもんだいが見つかり
そちらの原因をいろいろ調べています。
ミラーボックス周り自体には問題がなさそうではあるのですが
うまく連動できないものと思われます。
いずれにしろ動きを確認しながら仮組みして
五体的な原因を見つけて対処していきます。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「文化の日」ですね。
これに関連していろいろな文化の記念日が制定されています。
「まんがの日」「文具の日」「アロマの日」
「世界コスプレの日」「ビデオの日」等々…
ここに「フィルム写真の日」とか「フィルムカメラの日」とか
入ってほしいような気もしますねぇ(笑
そんな中に「レコードの日」がありますね。
私がレコードからCDに移行したのは高校生くらいの頃でしたね
でもいまだにレコードが聴ける環境は維持していますし
当時から持っているレコードに加えて最近でも
レコードを買ってきて聴いています。
オーディオマニアではないので音質云々はよくわかりませんが
手間がかかる部分も魅力…というのは
フィルムカメラに通じる部分がありますね。
私レベルでは音質はどちらもいいものがありますが
手軽にクリアな音質が聴けるのはやはりCDですよね。
レコードでも相当いい音は出せますがそれなりに手間と
環境が必要です。ここもフィルムカメラに似てますね(笑
今夜は自分のカメラ弄りながらレコードに針を落としますかね…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラで超大ヒットした一眼レフです。
そのため現存数も非常に多く
今からフィルムカメラを何か手に入れて始めようとすると
必ず候補に入るカメラではないかと思います。
カメラ自体も使いやすく機能的にも良いカメラですが
使用マウントがユニバーサルマウントでもある
M42ねじ込みマウントと言うことで
ペンタックス純正レンズ以外にも使用できるレンズが
メーカーの枠を超えて世界中に存在します。
それも人気の要因かと思われます。
大ヒットしたカメラなので家から出てきたカメラが
「SP」なんてパターンも多いと思います。
基本的にはシンプルで丈夫なカメラですが
さすがに発売から60年経過するカメラなので
そのままで普通に撮影できる…というわけには
いかないことがほとんどです。

お預かりしている「SP」もご依頼者様の自宅で
かなり長い間眠っていたのだと思われます。
当時のカメラとしては少々めずらしいブラック塗装のSPです。
使い込まれた感もあって非常に魅力的ですが
残念ながらさすがにいくつかの問題点を抱えています。
まずはファインダーのを覗いてみると
中央少し下横方向に黒い線が浮かび上がっていて
視野を大きく邪魔しています。
定番のプリズム腐食です。
プリズムをぐるりと囲むように巻かれている
遮光材の劣化と分解によりプリズムの蒸着までも
剥がしてしまっている状態です。
こうなるとプリズムを交換するのが一番確実な対処法です。
シャッターは動作してはいるものの
やはり動きは本来の状態ではなくシャッタースピードの精度は出ていません。
そしてこれも定番ですが露出計が全く動きません。
電池室にもそれなりに緑青がみられましたが
酷いのは電池室裏の端子部分で
そこはびっしりと緑青に覆われています。
これではさすがに通電するわけもありません。

見えにくいですがプリズム腐食も写っていますね。
本格的な分解はここからさらに進めていきます。
機械的な駆動部分は洗浄清掃して注油した上で調整
電気的な通り道は磨いて処理して安定した導通を確保していきます。
依頼数の非常に多いカメラなので
見慣れた光景ではありますが
集中して慎重に作業を進めていきます。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は「いい血圧の日」だそうです。
11月は毎日のように「いい〇〇の日」が続きますよね(笑)
「いい(11)けつあつ(two=2)」(いい血圧)と読む
語呂合わせからだそうです。
なかなか強引です(笑
由来はともかくとして血圧は大事ですねぇ…
…というか…ある程度の年齢になったら
目を離せなくなる数値です。
私も少々手遅れの感がありましたが
アタマをやらかしてからは毎日こまめにチェックしています。
それまでもめちゃくちゃ高かったわけではないのですが
不整脈は以前から少しありましたね…
今のところ血圧自体は比較的良好です。
高血圧は普段、症状そのものがあるわけではないですが
脳卒中、冠動脈疾患、心不全、心房細動、抹消動脈疾患
視力障害、慢性腎臓病、認知症の主要な原因です。
この中には症状が出たときには生命の危機となるものも多いので
やはり血圧の数値には目を光らせていなくてはと思います。
そして高血圧症の予兆が見られたなら
速やかに対策を打たなくてはありません。
でも大半の原因は生活習慣的なものなのですよね…(苦笑)
はい、健全な生活を日頃から心がけます。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフというだけで稀有な存在ですが
単に35mm判カメラをハーフにしただけではなく
ハーフ判のメリットを最大限にするために
様々な独自の工夫が施されたカメラです。
ロータリーシャッターの採用や
ポロプリズムを使用した独特のファインダー光路
それに伴うペンタ部の突起のない独特の外観と
極端にオフセットされたレンズマウント
他のカメラでは見ることのできない構造が満載です。
これだけでも相当な魅力を持つカメラです。
加えて本来の目的である
ハーフ判ならではの軽量コンパクトさと
ペンF用ズイコーレンズ群の写りの良さもあり
現在も非常に人気の高いカメラです。
ただしその独特の構造や
コンパクトさを最優先した結果
登場から60年経過する現在となっては
少々華奢に思える部分が多いのも事実かと思います。

お預かりしている「ペンF」は
ミラーアップしたまま固着してしまっています。
ペンFでは定番の症状です。
経年劣化や汚れ・油切れ等によるミラー駆動部の動作不良が原因ですが
症状が軽微な場合はミラーを指で押して
少しアシストしてやればとりあえずは復帰する場合もあります。
今回の場合はそんな状態ではなくがっちり固着して
少々外側から何をしても復帰できない状態です。
軽微な場合だとしても
いずれにせよ根本的に分解整備で
本来の動きのスムーズさを取り戻す作業が必要です。

構造が根本的に通常の一眼レフとは異なるので
分解手順も少々独特な部分がありますが
基本的に整備性は良いカメラです。
(ペンFTになると露出計のせいで厄介な部分が増えますが)
今回問題になっているミラー駆動部に関しても
通常の一眼レフとはミラー駆動する構造が根本的に異なります。
駆動のためのバネのテンションも分解のたびに
掛けなおすような構造になっています。
ミラー駆動だけではなくペンFのトラブルには
かなり定番なものがいくつかあり
そのほとんどがそれぞれの機械部分の動作不良が原因となります。
せっかく分解しているわけですから
そのあたりのポイントをいくつか入念に整備してから
動作確認、各部調整を行っていきます。

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ヤシカエレクトロ35のカメラ修理

今日は「灯台記念日」だそうですよ。
1868(明治元)年11月1日(新暦)に
神奈川県横須賀市の観音崎に
日本初の洋式灯台「観音埼灯台」が起工されたことに由来しています。
観音埼灯台は三浦半島東端に立っており
関東大震災などの大正時代の地震により1923(大正12)年と
1925(大正14)年の2度再建され、現在の灯台は3代目にあたるそうです。
先日、友人の車に乗せてもらって城ヶ島まで行ったのですが
その帰りに観音崎付近を通ってますねぇ
結構な雨降りだったのと日没寸前だったため
岬の先までは行っていないですし灯台も見てはいませんが
城ヶ島ではいつもの安房埼灯台を見てきました。
いずれにしても灯台は岬の先端にあることが多く
頂上とか先端ってやはり行ってみたくなりますよね(笑)
そっか…山の頂上と岬の先端って
そういう意味では何か似てますね(笑

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35」のカメラ修理を行っています。
エレクトロ35シリーズは初代から一貫して
「ろうそく1本の光でも写る」カメラをコンセプトとしていて
シリーズを通して大口径レンズにスローシャッターに強みがある
電子制御シャッターを搭載した絞り優先オート機です。
今回は正確に言うと1968年発売の「エレクトロ35G」です。
Gは「ゴールドメカニカ」の頭文字です。
初代をベースにして基板接点に金メッキを採用し
耐久性を向上させたモデルです。同時に巻上レバーの形状変更等の
小変更も行われています。
初代から「GSN/GTN」までは外装サイズ・デザイン
内部機構はほぼ同じでマイナーチェンジを繰り返して進化しています。
前期エレクトロのこのレトロなデザインと
少し大柄なしっかりしたボディは非常に魅力的だと思います。

お預かりしている「エレクトロ35」は
腐食や劣化が多く見られる電池室はキレイです。
ちゃんと電池を抜いて保管してあったものと思われます。
新しい電池(4LR44)を電池アダプタを介してセットしてみると
バッテリーチェックは正常に点灯します。
しかしながらシャッター制御は全くできず
電池が入っていないときと同じように一定速で切れています。
どこかの接点不良か何かでうまく電気が通じないようです。
そして巻き上げ時にエレクトロ特有の
レリーズ軸の戻る「カチン」という音も鳴りません。
これが鳴らない個体は通電していてもかなりの確率で
オート不良が起こってしまいます。
このレリーズ軸の戻る音はシリーズを通して
全てのエレクトロ35で巻上時にカチンとなるのが正常です。
他、レンズ・ファインダーにもかなりのカビ・汚れがあります。
しかしながらまずはシャッター及びオート露出を正常に
動作させることから取り掛かりたいと思います。

古い電子制御機なので配線も非常に多く
ややこしいカメラではありますが
整備性自体は悪くありません。
意外なことに使われている電子部品自体は意外に丈夫で
電子部品関連のトラブルで修理不可能という個体は
比較的少ないです。
とはいえデリケートな部分も多いカメラな上に
生産から50年以上経過しているため
分解整備には非常に神経を使います。
当店は比較的エレクトロの修理依頼が多いので
見慣れた内部構造ではありますが
慎重に整備をここから行っていきます。

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ニコンEL2のカメラ修理

今日は「日本茶の日」だそうですよ。
1191(建久2)年のこの日に
臨済宗の開祖・栄西が宋から帰国し
茶の種子と製法を持ち帰ったとされています。
これにより茶を飲む文化が一度廃れた日本において
茶の栽培が再び広まり
日本の貴族だけでなく武士や庶民にも
茶を飲む習慣が広まっていったということです。
日本茶…特に普通のお茶は
なんだかんだ馴染んでいるせいもあって
やはり飲みやすいし美味しいですよねぇ…
毎日の中でコーヒーを飲むことも多いですが
なんとなく口が乾いた…とか、何か飲みたいってときには
やはり温かいお茶を飲むことが多いです。
ただ…普段はお手軽な緑茶パックが多いですが…(笑)
ほとんどの日本茶は不発酵茶である緑茶で
緑茶の種類には、煎茶、玉露、番茶、ほうじ茶、玄米茶、抹茶などがあります。
でもやはり煎茶が飲みやすくていいですね。
そんなこと書いてたら何か飲みたくなってきたので
ちょっと書くのを中止してお茶入れてきます。
パックでお湯注ぐだけですが…(笑

さてさて

本日は「ニコンEL2」のカメラ修理を行っています。
1977年発売のカメラです。
ネーミングは「ニコンEL2」で銘板も「Nikon」ですが
要は「ニコマートEL」の後継機種です。
個人的には「ニコマートEL2」のほうがしっくりきますね…
機能的にはニコマートELをAiレンズ対応としたカメラです。
地味なマイナーチェンジ版ともいえますが
機能的にはそれしか変更がなくても
中身はもはや「ニコマートEL」とは全く別物です。
機械的な巻上機構とかミラー駆動はニコマートかた引き継いでいますが
電気回路は全面改良で基板もフレキが使われています。
露出計受光素子もCDSではなくSPDに変更されており
中身、特に電子制御関連に関しては「ニコマートEL」よりも
かなり次期モデルの「FE」に近いモノがあります。
それもそのはずで開発はニコンFEと並行して行われたそうで
露出制御用ICはFEと共用なのだそうです。
FEの登場が翌年の1978年なので当然とはいえば当然かもしれません。
FEが翌年発売されたこともあって「EL2」は比較的
見ることの少ないカメラです。

お預かりしている「EL2」は一通り動作はしていて
撮影にも使えるレベルではあります。
ただ長い間未整備な個体のためフィルム室等
分解しなくても見えるモルトは全て劣化しています。
当然内部のモルトもそうだと思われます。
そしてシャッター羽根の汚れ等の影響だと思われますが
高速シャッターが少々不安定です。
加えてネガであればまず問題ないレベルですが
露出計もオーバー目です。
そのあたりの電気的調整も含めてリフレッシュが必要かと思います。

まだ取り掛かり始めでこれから本格的に分解整備を始めます。
この状態でもわかりますが基板付近の様子が
ニコマートELとは全く異なります。
これだけの内部変更を行っている割には
整備性はさほど悪くありません。
さすがにFEのほうが整理されてはいますが…
このタイプのカメラはいったん取り掛かると
効率よく且つ丁寧に作業して
なるべく早く閉じてしまいたいので
これから集中して作業を行います。
(要はあまり分解した状態で放置したくない(苦笑))

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キヤノンF-1のカメラ修理

今日はこれといった記念日のない日ですねぇ…
ということで過去の10/28の出来事を調べてみると
1972年10月28日にパンダのカンカンとランランが
上野動物園にやってきた日なのですね。
中華人民共和国との国交恢復を記念して
日本に贈られた雌雄2頭のパンダです。
私はまだ3歳でしたが
おぼろげながらカンカン・ランランのことは覚えてますよ。
このあと11月5日に一般公開されて
日本中大騒ぎになりました。
最盛期には毎日平均1万5千人が訪れ
長さ2キロメートルにわたる2時間待ちの行列ができ
観覧時間はわずか30秒だったそうです
今でもパンダは上野動物園やアドベンチャーワールドで
大人気ですがこの時の大フィーバーぶりは
別格だったと思います。
確かに遠目で見ている分にはかわいいですものねぇ…
動物園も長らくご無沙汰です。
上野かズーラシアか季節の良いうちに行って来なくては…

さてさて

本日は「キヤノンF-1」のカメラ修理を行っています。
何度も同じようなことを書きますが
一眼レフの開発に立ち遅れ気味だったキヤノンが
社運をかけて開発した初のプロ向け一眼レフです。
「F-1」ボディ本体も素晴らしいですが
FDレンズ群や各種アクセサリーを含めた
システムカメラとしてもあらゆる撮影に対応できる
まさにプロ向けのカメラだったと思います。
この分野でそれまでまだに独り舞台だったニコンFの後継である
ニコンF2を止めるために登場したカメラです。
F-1の登場によりここから長らく続く
ニコン・キヤノン2大メーカー時代への幕開けとなりました。
機能としては今となっては一般的なマニュアルカメラの
標準的なものと言えますがニコンF2もそうですが
驚異的なのはその耐久性です。
過酷な場面でも撮影を続けることのできるタフさはまさにプロ仕様です。
ただ、どんな過酷な環境にも耐えうるのは
新しい状態を維持しているから…という前提もあり
さすがに経年劣化には勝てない部分も存在します。
機械なのですから当たり前ですよね。
当時のまま…とは言いませんが
できるだけ良いコンディションで本来の姿で動作するためにも
登場から50年以上経った現在では一通りの整備が必要です。

お預かりしている「F-1」はシャッターは一通り動作していますが
やはり幕軸や巻上に油切れの兆候が見られます。
巻上フィール的な部分は個体差やこれまでの使用環境にも
かなり左右されるので何とも言えない部分がありますが
シャッターに関しては明らかに数値にも出てきます。
開いてはいますが1/2000だともう閉じる寸前という感じで
先幕の動きがかなり悪いようです。
後幕の幕速も先幕ほどではないですが
本来の状態から考えると動きが悪いようです。
やはり巻上やミラー駆動部を含め可動域には入念な整備が必要です。
加えてこちらはご依頼者様からもご指摘があった部分ですが
露出計が電池を入れても全く反応しません。
バッテリーチェックにすると指針は反応するのですが
これも全く安定しません。
BCで動くということは露出計本体は何とか大丈夫かと思われます。
おそらくはSW周りの接触不良かと思われます。

まだ取り掛かり始めですが
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この状態で既に露出計SW近辺については確認ができますが
SWの接触部は一目で「これは電気通らないわ」と思うほどに
粉が噴いて覆われているような状態です。
反対にこれでよくBCだけでも反応があったものだと思います。
端子部は外して入念に磨いて導通を確保していきます。
ボディ側はこれから分解を進めて一通りの整備ですが
取り外し可能なファインダー部のその後で分解です。
プリズムに今のところ腐食は見られませんが
プリズム上には大きな座布団モルトが乗っかっていて
それも加水分解が原因でプリズム腐食に進んでしまうので
その対策も行っていきます。

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コニカオートS2のカメラ修理

今日は「柿の日」だそうですよ。
言われてみればまだ今シーズンは柿食べていないですね…
少し前からスーパーでもよく見かけるから
「とりあえず今日はいっか…」って見送り気味になっています。
歯ごたえのある実と優しい甘さがいいのですよねぇ…
昔は実家の近所でもいたるところで柿の木を見かけたものですが
(その大半は渋柿)
最近は地元に帰ってもあまり見ないですね…
柿の木の下の道に潰れた柿がぐしゃぐしゃになって落ちているのが
昔はこの季節の日常の光景でしたね
「柿の日」の日付は日付は、1895(明治28)年のこの日に
俳人・正岡子規が奈良旅行に出発し
あの有名な「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を
詠んだとされることからだそうです。
柿の実は栄養価も高く含まれるカキタンニンは
高血圧の予防に効果があるそうですよ。
やっぱりしっかり食べなくちゃダメですね。
今夜帰りのスーパーで買って帰ります!!!

さてさて

今日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
オートS2も修理依頼の比較的多いカメラです。
1964年発売のカメラです。
「オートSシリーズ」は同時期に発売されていた
「コニカSシリーズ」にシャッタースピード優先オートを
搭載したカメラです。露出計の受光体は
「S」のセレンから「オートS」ではCDSに変更されています。
最初の「オートS」の受光体は上カバー前面方付近に配置していましたが
「オートS2」ではレンズ枠内に移設され
フィルター使用時の露出倍数等を考えなくても良い設計になっています。
搭載レンズはヘキサノン45mmF1.8の大口径です。
シャッタースピードスピード優先オート搭載がセールスポイントですが
マニュアル露出も可能でその際も露出計は動作します。
シャッターユニットはコパルSVAです。
大口径レンズを搭載することもあり少し大柄ではありますが
非常に使いやすく且つ写りの評価も高いカメラです。

お預かりしている「オートS2」はまず電池を入れても
露出計が全く反応しません。
露出計のon/offスイッチないので
電池を入れてある程度の明るさのところにレンズを向ければ
多少なりとも反応がなくてはいけません。
底部にはバッテリーチェックボタンがあり
これを押すと指針が無条件にある程度まで動くはずなのですが
こちらもほとんど反応がありません。
何度か押しているとたまに一瞬指針が振れるので
メーター自体は生きていると思われます。
オートS系は露出計に関連するトラブルがやはり多いですが
その大半が電池室周りの配線、ハンダの腐食です。
今回もそうかと思われます。
シャッター自体は動作しているものの
ファインダーを覗いて見ると曇りも酷く
そして距離計二重像が全く見えません。
二重像を映し出す中心の枠自体も全く見えないため
距離計の最初の反射面のミラーが脱落していると思われます。
これも「オートS系」では比較的多いトラブルです。

画像の右端に小さなミラーが写っていますが
これがファインダー内部に転がっていました。
これが脱落しているために二重像が全くファインダーに映りません。
電池室の周りにはバッテリーチェックのSWもあるために
数本の配線が繋がれているのですが
どれもこれもハンダ部に緑青が噴いていて
そのうちの何か所は完全に断線していました。
これでは露出計もバッテリーチェックも動きません。
そのあたりの修理も含めてこれから一通りの整備を行っていきます。

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