カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

ヤシカエレクトロ35GXのカメラ修理

11月は語呂合わせで「いい〇〇の日」が
毎日のように制定されていますが
今日も「いい友の日」や「いい頭皮の日」とかがありますね。
で、そんな中に「いい音・オルゴールの日」があります。
日付は「いい(11)おと(10)」(いい音)の語呂合わせです。
1796年にスイスで発明されたオルゴールは
太平洋戦争後に長野県の諏訪地方で作られるようになり
「いい音」を目指し続けた高い技術から
半世紀にわたり世界のトップシェアを誇っているのだそうです。
長野県下諏訪町の「諏訪湖オルゴール博物館奏鳴館」
(現:「日本電産サンキョーオルゴール記念館 すわのね」)が制定しています。
実は毎年のように11月10日に「オルゴールの日」をみかけては
部屋や仕事場にオルゴールがあって
たまの気分転換に音色を楽しむっていいなぁ!と思って
いろいろ調べ始めるのが年中行事になりつつありますね。
そしてそのオルゴールの世界の奥深さと
本格的なモノのすばらしさを垣間見ては
そこでおなかいっぱいになって
実際には買うまでにはいたらない…なんてことを繰り返しています(笑
ネットで見ているとキリがなくなって
結局疲れちゃうのですよね…
実際にお店で見るとまた違うのでしょうねぇ
いけんいけん、よけいな物欲を刺激しなくていいです(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GX」のカメラ修理を行っています。
初代から「ろうそく1本の光でも写る」カメラを目指し
スローシャッターに有利な電子制御シャッターに
大口径レンズ、絞り優先オート露出専用機という
要素はそのままに進化を続けてきた
エレクトロ35シリーズの最終機種にあたるのが
今回の「GX」です。1975年の発売となります。
大柄で堂々とした初代のデザインも魅力ですが
「GX」になると時代を反映して随分と小型化が進みました。
大口径レンズ搭載でレンジファインダー機なので
シリーズ最小の「MC」ほど小さくはありませんが
充分にコンパクトに仕上げられていると思います。
非常にギュッとした凝縮感もあって質感も高い
良いデザインだと思います。
今回お預かりしているのはブラック塗装ですが
黒だとなおのこと引き締まった感がありますね。
搭載されるレンズはカラーヤシノンDX40mm/F1.7です。
シャッターは初代から改良を続けられてきた
コパルエレクでシャッタースピードは
4秒~1/500で自動制御されます。
小型化は進んだとはいえ基本的な構造の考え方が
初代とあまり変わってはいないのです。
それだけ最初からある程度完成された設計だったものと思われます。
小型化された影響もあり電池はエレクトロご用達の「HM-4N」ではなく
HM-N(NR52)型水銀電池を使用となっています。
当然ながら現在の環境で使うには
何らかの電池アダプタが必須です。

お預かりしている「GX」は
かなり長い間、眠っていたものと思われますが
保存状態は悪くなく
一通りは動作している状態です。
ただ各接点等に積年の汚れはやはりあるようで
繰り返して測定機で検査していると
かなり動作が不安定なことがあることも判明いたしました。
マグネットの吸着にも少々問題があるようです。
歴代エレクトロ共通の独特の少し青みがかった暗めの
ファインダーは「GX」も受け継いでいます。
やはり少し曇りがあるのと距離計のズレもあるので
一通りの整備調整を行っていきます。

ここまではなんてことはないのですが
これから前板・シャッターユニットを分離して
各部接点の清掃やシャッターユニットの整備にかかると
なかなか大変な作業です。
それでも初代からそうですがとにかく配線が多くて
少しややこしいものの整備性自体は悪くはありません。
小型化されても整備性は考えられている構造です。
ここからは集中して細心の注意を払いながら
作業に取り掛かっていきます。

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は11月9日、「119番の日」だそうです。
乾燥する日も多くなってきて
より一層、火事には気をつけなくてはいけない季節になっていきます。
火事もそうですが個人的には救急の「119番」のイメージが強いですかね。
50数年生きてきて救急車に乗せられたことは3度ありますが
一番直近で唯一、自分で救急車を呼んだのが
頭がいかれて立ち上がれなくなった3年半前です。
処置する時間によって以後の症状に影響が出る
一刻を争う状況の中、電話して5分もかからずに
来てくれてそれから5分もかからずに病院まで連れて行ってくれた
救急隊員の方たちには本当に感謝しかありません。
おかげさまで後遺症は多少あるものの何とか無事に生活できています。
でもこれ以上はお世話になることのないよう
日常から気をつけたいと思います。
ところで火災報知の電話サービスが
1926(大正15)年に導入された時の番号は「112番」だったそうです。
当時はダイヤル式の電話であり
一刻を争う緊急のためにダイヤルを回す時間の短い番号として指定されました。
しかしながら意外とかけ間違いが多く、
翌年の1927(昭和2)年にかけ間違い防止と
あえて最後にダイヤルを回す時間が長い「9」を回すことで
落ち着いて話ができるためという理由で
現在の「119番」になったと言われています。
「110番」も同じ理由だそうです。
ダイヤル式の電話ならではですね。
「0」が一番回す位置が遠いって知らない方のほうが
きっと今は多いのでしょうね…

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
国産二眼レフの最高峰と言われることも多いカメラです。
ロッコール75mmF3.5レンズの優秀な写りや
ビューレンズ上部集中表示で
設定の確認がしやすい絞りとシャッタースピード
最高速1/400で非常に安定した動作をする
シチズンMXVシャッターユニット
腹切り型でクイックにも微調整にも対応できるピントレバー
スタート合わせ式のセミオートマットのフィルム装填に
これまた操作性の良いクランク式巻上
フィルム平面性確保のためフィルム送りが通常とは逆の
「上から下」へのフィルム送り
特徴や利点を数え上げるとキリがありませんが
フィルム送りの向き以外は他の二眼レフでも
見られる機能ではあるのですが
これを全てうまくまとめ上げた二眼レフは
オートコード以外にはなかなか少ないと思います。
そういう点からも「国産最高峰」と言えるかと思います。

今回お預かりしている「オートコード」は
1957年発売の「RA」型かと思われます。
元々は普通に使えていたそうなのですが
少々無理な巻上操作を行ってしまったそうで
それ以降シャッターが切れなくなったということで
当店にやってきました。
現状を確認するとレリーズできないのではなく
シャッターがチャージできないのではないかと思われます。
無理な力が加わったことでチャージ関連のどこかの部品に
不具合が出てしまったのかと思われます。

画像は取り掛かり始めのモノですが
まずはシャッターユニットとボディ側巻上機構の
リンク部分が見えるところまでこれから分解していきます。
やはりチャージリンク部品は一部破損と変形が見られます。
そしてシャッターユニットの取り付け位置自体も
わずかにズレてしまっているようです。
これが原因でチャージが完了しないようです。
シャッターユニット本体には大きな問題はないようですが
絞り羽根、シャッター羽根には若干粘りが見られるので
ユニット内の整備ももちろん一通り行っていきます。
後からわかったのですがレリーズボタンリンク部にも
少々変形が見られチャージができても
レリーズができない…という症状も出てしまっているようです。
いずれにしても致命的な破損や変形ではなく
どれも問題なく修理できそうです。
いろいろなパターンで動作確認しながら修理調整を行っていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「アパート記念日」だそうですよ。
1910(明治43)年のこの日に
東京・上野に日本初の木造アパートが完成したことが
由来となっています。
そのアパートは「上野倶楽部」という名前で
洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートだったそうです。
上野公園に隣接していて、洗面所・浴槽・電話は共同だったとのこと
なかなかモダンな感じだったのでしょうねぇ
それまではアパートに該当するモノは
いわゆる「長屋」だったのですかね。
私の生まれ育った実家も長屋でした。
現在、私が住んでいるのも賃貸アパートです。
話がそれますがたまに無性にどこかに引っ越ししたくなるのですよね(笑
いや、全然今の環境に不満なんてないのですが
単に気分を変えたいだけなのです。
まぁ実際は仕事もお店もありますし
そうそう簡単に遠くに引っ越すわけにはいかないのですが…(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、AE-1やAE-1Pの修理が多いですね。
大ヒットしたカメラですし現存台数も多いので
不思議ではないのですが…
1976年発売で「キヤノンAシリーズ」の初号機となったカメラです。
以降、発売される「Aシリーズ」のカメラは
基本的な構造は全てこの「AE-1」がベースとなっています。
「AE」と聞くとオート露出(Automatic Exposure Contorol)かと
想像してしまいますが
「AE-1」の「AE」は Total Automatic System By Electric SLR Camera の
意味を持ち「1」は電子制御カメラとして頂点の意味を持つのだそうです。
それだけキヤノンとしては社運を賭けた1台だったことに間違いはなく
電子、精密機械、光学、コンピュータの技術を統合して開発されたカメラです。
実際にマイクロコンピュータ搭載はこのカメラが世界初となり
キヤノンが電卓やコピー機等で培った技術も随分生かされているのだそうです。

お預かりしている「AE-1」は
たびたびシャッターが切れなくなるとのことです。
当店で受け付けた時点でも何度かシャッターを切っていると
突然レリーズに反応しなくなることが何度もあり
何回かレリーズボタンを押したり
少し放置してから再度試してみると普通に切れる…という様子です。
切れないときにも露出計は反応しているので
電源が入らないとかレリーズ機構・SW部の問題ではなく
マグネット周りの問題かと予想されます。
定番のシャッター鳴きはほとんどなく
機械的にはそれほど動きは悪くないという感じですが
動作している間にシャッタスピード計測を行ってみると
やはりかなりSS精度は不安定です
それ以外の要因でオート時の絞り制御もかなり不安定です。
いずれにしても接点や機械動作部分の一通りの整備が必要かと思われます。

もう見慣れてはいますが
AE-1登場以前の機械制御カメラとは内部の様子が全く異なります。
でもあくまでもこの時代は電子化されているのは制御部のみなので
機械的に動作する部分は意外と大差なかったりします。
加えてこのAE-1の時点では制御的にもアナログな部分も結構残っていて
以前も書きましたがSSダイヤル部からの連動は糸連動だったりします。
いろいろと厄介な部分もあるカメラではありますが
それでもこの種のカメラとしては整備性はかなり良好なほうです。
それはいいのですがこのAE-1、
かなり初期の個体かと思われますが
ハンダの処理が全体的に結構雑で
一部配線やハンダ付け部にダメージがあったり
それを補修している形跡が見られます。
必要に応じて対策や配線の交換をしておかないと
他のトラブルを呼びそうです。
いずれにしても今回も慎重に慎重に作業を行っていきます。

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オリンパスM-1のカメラ修理

今日は「いいりんごの日」だそうですよ。
「いい(11)りんご(5)」と読む語呂合わせからだそうです。
スーパーにも普通にりんごが並ぶ季節になってきましたね。
私が毎晩のように立ち寄るスーパーでも
定番の青森県産「ふじ」が売られています。
2週間ほど前まではちょっとお高い価格だったのですが
今は値段も落ち着いてきて比較的普通の価格かと思います。
私も結構な頻度で買って帰ります。
果物って身近に季節を感じる食べ物で
旬のモノはどれも比較的手軽なお値段で
とっても美味しいですよねぇ
リンゴはまさに冬の果物の王様だと思います。
りんごというと赤いものをやっぱりイメージしてしまいますが
黄色いものも美味しい品種がいろいろあります。
よくみかけるのは黄色いトキリンゴとかですかね
これもジューシーで美味しいのです。
今日も仕事終わったらリンゴ買って帰りましょう!

さてさて

本日は「オリンパスM-1」のカメラ修理を行っています。
「OM-1」の初期モデルですね
「オリンパスMシステム」、「オリンパスM-1」として
一眼レフカメラシステムをスタートさせましたが
「ライカMシリーズ」を展開していたライツ社から
クレームもありネーミングを「OMシステム」
及び「OM-1」に変更されました。
ただ初期の製品は「Mシステム」「M-1」のまま発売され
1972年7月の発売から1973年5月に改名されるまで
「M-1」のボディは約5000台が発売されたと言われています。
個人的な見解ですが5000台の割には
見かけることが多いような気がします。
刻印されている名前が「M-1」なだけで
中身的には初期の「OM-1」と変わりません。

お預かりしているM-1はかなり長い間使われずに
しまい込まれていた個体だということです。
やはり動きが悪い部分が散見されます。
まずシャッタスピードの精度が出ておらず
1/1000・1/500は開ききっていない状態です。
この状態で1/1000を使って写真を撮ると
写真の2/3が真っ黒になってしまう状態です。
スローもガバナが粘り気味でかなり不安定です。
そして定番のプリズム腐食といったところです。
今回は電池はしっかり外して保管してあったようで
電池室に大きなダメージはないようです。
ただ念のため電池室からの配線は交換しておきます。

プリズム抑えのバネが4本バネなのも
M-1及び初期OM-1の特徴ですね。
その4本バネの後方、プリズムと接眼レンズとの間に
モルトが貼られています。
画像でも確認できますがボロボロに劣化しています。
これだけボロボロな割にはプリズムの腐食は
比較的小さいのですがいずれにしても
せっかく分解整備を行うので
ご依頼者様とも打ち合わせの上、プリズムは交換で対処します。
OM-1はその軽量コンパクトさを実現するため
内部には比較的プラスチック部品も多いのですが
初期のOM-1やM-1はそのプラスチック部品が
劣化して脆くなっている場合も多いので周囲が必要です。
ただ今回のM-1は保管状況がかなり良かったようで
現時点で確認している分にはその心配もほとんどないようです。
これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「かき揚げの日」だそうですよ。
日付の由来は「かき揚げ」は
うどんや蕎麦などの麺類に乗せて食べられることが多いことから
カレンダーで「めんの日」の11月11日の上の同じ曜日となる
11月4日としたものなのだそうです。
「ショートケーキの日」が毎月22日なのと同様の理由ですね。
サクサクのかき揚げって美味しいですよねぇ
確かにうどんやそばの「天ぷら」といえば「かき揚げ」が定番ですが
それって私の勘違いでなければ東日本ならではの習慣ですよね。
今はそうでもないと思いますが昔は西日本で「天ぷらうどん」といえば
「えび天うどん」を指すことがほとんどで
「かき揚げ」は少なかったような気がします。
私が最初に関東に来た時に「天ぷらそば」を頼んで
「かき揚げ」が出てきたときに
ちょっとびっくりした覚えがあるのですよねぇ(笑
「かき揚げ」も「えび天」もどちらも美味しいし
好きなので全く問題はないのですが…
ここでも何度か書いていますが
私、いまだにこっちのうどんのつゆが少々苦手なのですが
近年は慣れてきて「そば」ならありだなぁ…と思っています(笑
駅前の立ち食いソバでいいから「かき揚げそば」食べたくなってきました。
つゆに浸かってしなしなになる前に食べてしまいたいですよねぇ

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売のカメラで「ニコマートEL」の後継機にあたります。
「EL」の頃は少々大柄で重さもかなりあり
特に最初のELは電子制御機としても
まだ洗練されていない部分もありましたが
FEになって全く印象が変わり非常に洗練されたカメラになったと思います。
めちゃくちゃ小型化されたわけではないのですが
適度にコンパクトで端正なスタイリングです。
ファインダーもめちゃくちゃ明るいわけではないのですが
適度に明るくて非常にピントの山の掴みやすいファインダーです。
そして2針式の非常に使いやすい露出計表示が何といっても魅力です。
電子制御機ならではの絞り優先オートも搭載し
サクッと簡単に撮り歩くのも
じっくり考えて撮る場合にも
いろんな場面で非常に使いやすいカメラかと思います。
個人的にも好きなカメラの一つです。

お預かりしている「FE」は外観もキレイで
シャッターも露出計も一見問題なく動いているように見えます。
ご依頼者さまのお話では
シャッターがほぼ一定速度でしか切れず
たまにミラーアップしたままになる…とのことなので
測定機でしっかり確認してみると
1/1000~1/60に関しては少々精度にムラがあるものの
まずまず正しい動きをしているようです。
ただし1/30~8sの低速側では全く制御ができておらず
ほぼ全て1/60で切れてしまっているようです。
ご依頼者さまのお話では1割くらいの確率で
正しくスローが切れる…とのことでしたが
当店で預かってからそれなりの回数を切りましたが
一度も正しく切れることはありませんでした。
反対にミラアップに関してはこちらでは一度も症状が再現されません。
いずれにしてもマグネットの制御が上手くいっていないようです。
マグネット自体の吸着の問題か
ミラー周りの接点の不具合ではないかと予想します。
FEで電子回路基板そのものに問題がある場合は
粗悪な分解品を除いてレアケースなので
おそらくそうではないと思います。

これから本格的に分解整備に取り掛かります。
この類のカメラでこの類のトラブルは
正直言って「やってみないとわからない」部分も多少あります。
ただFEの場合は100%とはいえませんが
大抵の場合、接触不良や機械的なトラブルなので
今回もおそらく修理可能かとは思います。
いずれにしても集中して細心の注意を払って取り掛かっていきます。
もちろん修理と並行してトラブルの起こりやすい部分の
修理清掃調整も一通り行っていきます。

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ミノルチナPのカメラ修理

今日は「文化の日」で祝日ですね。
私の生まれ育った町では
11/3が秋祭りの日なのです。(呉の小祭り)
だから11/3には子供の頃の
いろいろな思い出があって何とも懐かしい気分になりますね。
それはさておき「文化の日」に関連して
他にも多くの記念日が制定されています。
「まんがの日」「文具の日」「ビデオの日」
「クラシックカーの日」「レコードの日」…等々
どれも興味をそそるジャンルのものばかりです(笑
いずれもそのジャンルを「文化」として捉えて
今日を記念日に制定しているのですが
この中に「フィルムカメラあるいはフィルム写真の日」なんて
あってもおかしくないですねぇ(笑

さてさて

本日は「ミノルチナP」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のコンパクトカメラです。
ミノルチナシリーズは「S]と「P」の2機種が存在しますが
いずれも今の感覚で言うと少し大柄な
当時のコンパクトカメラ(レンズ固定式レンズシャッター機)の
機能を損なわずに小型化が進められたカメラです。
ただ小型化が国内でもてはやされるのは
もう少し後のコニカC35登場以降のことであって
この頃はある程度の高級感の演出のために
ある程度の大きさと重さが必要…と思われていた時代なのですね。
(特に本格志向のマニュアル機に関しては)
そんな時代背景もありミノルチナシリ―ズ両機は
当時は商業的には少々苦戦を強いられました。
現在では両機とも小さくて質感が高いということもあり
なかなかの人気ぶりなのですが…マーケティングって難しいですねぇ

今回は「S」の弟分にあたる「P」を扱っています。
レンズはロッコール38mmF2.8を搭載
距離計は省略し目測とし、シャッターユニットは
プログラムシャッターのシチズンPです。
シャッターと絞りの組み合わせはシャッターユニット任せで
セレン式の露出計指針を露出制御のLVリングと連動する
指針を合致させ露出を決定します。
「S」が本格派のマニュアル専用機であるのに対して
「P」はより軽快に簡単に撮影ができることを重視したカメラです。
「S」よりさらにさらにコンパクトで
デザインも非常に洗練されたもので
今見てもなかなかカッコいいカメラだと思います。

お預かりしている「P」はまず裏ブタが閉まりません。
手で押し込んでいくと「パクン」と閉まる音はするのですが
ロックされることなく手を離すと開いてしまいます。
ボディ側の受け部分を開いてみてみると
ピンを受ける爪の部分が
以前に強引に押し付けられたような形跡があり
変形してピンが挟み込めないような状態になっています。
それほど大きな変形でもないので
慎重に形状を元に戻して閉まるように修理を行います。
そして裏ブタは何とか閉まるようになったものの
今度はフィルムカウンターが全く動かないようです。
これも以前にショックを受けたせいと思われ
一部の部品が変形してしまっています。
ここも大きな変形ではないので修復と調整を行います。
さらに次はセルフタイマーが油切れで固着してしまっているようです。
シャッターユニット「シチズンP」はセルフタイマーを
シャッターユニット内には持っておらず
セルフタイマーユニットは底部に別途配置されています。
こちらも洗浄注油で対応していきます。
シャッター自体は多少の粘りが確認できますが
一応は切れている状態です。レンズ・ファインダーには
多少のカビや拭き傷が見られますが
できる限りの清掃を行っていきます。

これから本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
ハイマチックやユニオマットに比べるとコンパクトではありますが
構造がシンプルなこともあり整備性は良好です。
気持ちよく撮影に使えるように入念に作業を行っていきます。

コニカⅡのカメラ修理

今日は「書道の日・習字の日」だそうですよ。
「11」と「02」で
「いい(11)もじ(02)」(いい文字)と読む語呂合わせからだそうです。
私はあまり字がキレイなほうではないですが
キレイな字が書ける人っていいですよねぇ
性格の几帳面さや丁寧さが感じられるような気がします。
ただ現在は昔ほど「字を書く」機会は少なくなってしまいましたが…
習字と言えば小学校2年生から小学校卒業までは
週に1回、近所に習いにいっていました。
通っている友達も多くいて楽しいことも多かったですが
しんどい面もありました。
…というのも私、左利きなのですが
習字教室では右で書くように指導されていたのですね。
入ってから1年くらいは硬筆で2年目からは毛筆で…
まぁ結論から言うと少し遅すぎたようで
全く矯正できなかったのですが…(苦笑)特に硬筆!
ひじを浮かせて書く毛筆(大筆)は慣れもあって
右で書くのも苦にならなくなったのですが
腕をおいて細かく書く硬筆や小筆は右だと超下手くそで
かなり当時も苦労しました…(笑
小学校卒業と同時にその習字教室はやめたのですが
中学校に入ると今度は学校で毛筆があるのですね。
そこでは左右どっちで書こうと自由だったのですが
その頃には大筆は右で小筆は左で書く変則になっていました。
小筆(大体半紙の左側に名前を書く)は
左のほうが肘も着きやすくて楽なんですよね。
昨年、何を思い立ったか筆ペンで少し字の練習(もちろん左で)をしましたが
まぁ普段から頻繁に書かないとダメですね。壊滅的でした…(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅡ」のカメラ修理を行っています。
1951年発売のカメラです。
一般向けコニカブランド初のカメラ「Ⅰ」の後継機です。
搭載されるレンズはヘキサノン50mmF2.8で
ダブルヘリコイドを搭載し、無限遠から
さらに鏡胴を縮めてレンズを格納できます。
一種の沈胴式なのですが縮められるのは少しなので
「格納」とまでは言えないかもしれません。
シャッターユニットはコニラピッドSを搭載し
B・1s~1/500をカバーします。
シャッターユニットのチャージレバーを引き上げて
シャッターチャージするのは「Ⅰ」と同様ですが
レリーズはボディ側のレリーズボタンでできるようになりました。
このレリーズボタンはフィルムを巻き上げないと
レリーズロックが解除されないのでここで二重露光防止となっています。
意図的に二重露光を行いたい場合はシャッターユニットの
レリーズレバーを直接操作して対応します。
それでもいわゆる「セルフコッキング」は
次の「Ⅲ」での搭載で「Ⅱ」ではボディ側に
レリーズボタン搭載はされましたが
フィルム巻上とシャッターチャージはそれぞれ別に操作が必要です。
フィルム巻上も巻き戻しもまだノブ操作です。
そういった手間が少し必要なのは魅力でもあるのですが
個人的には巻き戻しだけはクランク式が圧倒的に良いですね。
ノブの巻き戻しはさすがに手間で力が必要なだけのような気もします。

お預かりしている「Ⅱ」は全体的に
操作系および駆動部分の動きが良くないようです。
ご依頼者様からはSSリングの1/500への移動が重い…というご指摘を
いただいていますがもともとコニラピッドSの1/500は
セイコーシャラピッド等と同様に1/500専用の別バネを
駆動する必要があるので1/500への入りは少し重く
チャージしている状態だと他SSから1/500へは入れません。
ただ、言われるのもごもっともでリリース状態なのに少し重すぎる…ことと
全体的にSSリングの動きがかなり重いようです。
絞りリングもかなり重めです。
加えてチャージレバーも重いです。
操作系全てが積年の汚れ等の影響で重いようです。
加えてスローガバナは1秒、1/2秒時には完全に固着で
1/4以下でもかなり粘って重々しく動作しています。
シャッター羽根にはめだった粘りはありませんが絞り羽根は少し粘り気味です。
そしてファインダーはかなり汚れていて見えも良くない状態です。
やはり全体的に動きを本来の状態にする整備が必要です。

本格的分解整備に取り掛かる前に
スローガバナの動きもそうですが全体的にシャッターユニットの
動きをチェックしておきます。
SSリングとの連動部の動きも確認するのですが
やはり全体的に各部品の動きは悪いようです。
SSリングの重さの原因もやはり汚れによるもののようです。
微妙なリング変形とかではなくて一安心です。
ある程度現状の確認もできてどう整備・修理していくかの
イメージもしっかりできたのでこれから
本格的に分解整備に取りかります。
まずはシャッターユニットを降ろるところから始めていきます。

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キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「たまごかけごはんの日」だそうですよ。
熱々炊き立てツヤッツヤのご飯に生卵、そして醤油を少々
シンプルだけどめちゃくちゃ美味しいですよねぇ
「卵かけご飯」は日本特有の食文化とされています。
そもそも鶏卵を生で食べられる国は世界的に少ないのですね。
サルモネラ菌による食中毒が心配されることが原因ですね。
国内の衛生基準が卵を生で食べられる程に
厳格に整っていることに本当に感謝です。
生卵独特のあの触感とほのかな甘さが
熱々の白米と本当に合うのですよね
ご飯の熱で少し固まりかけてくると甘みも増し
醤油でなおのこと味が引き立つのですよねぇ…
こんなこと書いていると卵かけご飯が無性に食べたくなってきます。
今年の春頃に卵不足が酷くなって以来
あまり卵を買わなくなってしまったのですが
(お高いですし…
ダイエットや糖尿病対策でほとんど食べなくなっていました)
今は比較的安定して供給されてるのですかね?
ヒサビサに今日の帰りは
スーパーの卵売り場をチェックしてきます!

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
最近、「AE-1P」の修理が比較的多く
昨日も「AE-1P」の修理ブログだったのですが
今日は「キヤノンAシリーズ」の基本形でもあり
第一号機の「AE-1」です。
発売は1976年です。
世界初のマイクロコンピュータ搭載機としても知られています。
このカメラの登場によって一眼レフのAE化はさらに大きく進み
それに加えて内部構造や生産の効率化も大きく進歩しました。
「Aシリーズ」の登場によって一眼レフの効率化や自動化に
ついていなくなったメーカーの淘汰が進んだような気がします。
AE-1だけではなくキヤノンはこういう業界を大きく刺激するカメラを
時代の節目節目に登場させることが多いメーカーだと思います。

お預かりしている「AE-1」は一応は動作しているのですが
いくつもトラブルを抱えてしまっている状態です。
全体的に機械的な動作が油切れや汚れで粘っていて
定番の「シャッター鳴き(実際はミラー駆動部鳴きですが)」も起こっています。
そのせいもありミラーの動きも緩慢で
さらに幕軸の動きも悪く高速シャッターでは精度が出ていません。
さらにマグネットの汚れのせいかと思われますが
「B」にセットしてもシャッターが普通に切れてしまいます。
レリーズしたままにしているのにシャッターが普通に閉じてしまいます。
電気的にも接触不良等もあるようで露出計の動きが非常に不安定です。
値そのものも随分オーバー目に動作しています。
さらに絞り制御部も粘っていてオート制御も不安定です。
こんな感じでいろいろと調べれば不具合が見つかっていくのですが
どれもAE-1でよくある症状で根本的には積年の汚れや油切れが原因です。
いいほうに考えれば致命的な破損や電子部品の不良はないようです。

画像は本格的作業に入る直前の上下カバーを
外しただけの段階でのモノです。
ここからプリズムを覆っているフレキをある程度外し
ミラーボックスを分離して本格的に整備に取り掛かります。
昨日のAE-1Pとは異なりフレキ上にリード線も多く
さらにはSSダイヤルから巻き戻し側摺動抵抗には
連動糸が使われています。
少々ややこしいですがそれでもこの類のカメラとしては
整備性は良好なほうだと思います。
分解して整備することを考えられている構造です。
さすがに何度も整備は行っているカメラなので
手順は資料を見なくても頭に入っていますが
それでも油断せずに集中して慎重に取り掛かっていきます。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「てぶくろの日」だそうですよ。
て(10)ぶ(2)く(9)ろ」(手袋)と読む語呂合わせだそうです。
うーん、なかなか厳しいものが…(笑
でもこれから寒くなって手袋の欲しくなる季節になっていきますね。
ただ、この「てぶくろの日」は一般的な手袋よりも
作業用の手袋を対象とした記念日のようです。
私も仕事がら部品を汚さないためや静電気防止のために
手袋をして作業することが多々あります。
(常にではないですが)
なのでクリーンルーム用手袋は身近なアイテムです。
作業用手袋といっても千差万別で
当店で使っているようなクリーンノール手袋から
軍手やゴム手袋、もっとごつい作業用革手まで
いろんなものが存在します。
素材を守るためのモノから手を守るためのものまで
目的も様々です。
身近な家庭用のもので言っても普通の寒さ防止のためのものから
洗濯・掃除のためのゴム手・軍手、各種のスポーツで使うグローブ類
意外と手袋って身の回りに多いような気がしますね
ふと思い出しましたが…子供の頃…
「てぶくろ」を反対から読んで!といわれて
6回ぶたれる…なんてことが定番だったなぁ…(笑

さてさて

本日は「キヤノンAE-1プログラム」(AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
少し前にもAE-1Pのカメラ修理がありましたね。
初代のAE-1と合わせると意外とAE-1系のカメラ修理の依頼は多いですね。
あれだけ大ヒットしたカメラなので
現存台数が多いというのもありますが
当時も現在も人気のカメラだと思います。
前回のAE-1Pのブログでも書きましたが
機能的には最初のAE-1に「プログラムオート露出」が
追加されただけとも言えますが
ファインダーの明るさやキレも全く異なりますし
露出計表示もより現代的で
使いやすさの面でかなり進歩しています。
そして機械的機構部のベースはあくまでAE-1と同様ですが
電子制御部は全く別物でAE-1登場から5年経過で
かなり進化していることがうかがえます。
AE-1登場時にはかなり先進的で洗練されていたイメージの内部も
AE-1Pと見比べるとたった5年で結構古臭さを感じます。
でもAE-1の適度にアナログな制御部も
整備する立場ではわかりやすい部分も多く悪くはないのですが…

お預かりしている「AE-1P」は電子制御関連には
特に問題はないだろうと思われますが
機械的にはいろいろと問題を抱えてしまっています。
まず持ち込まれた時点では巻上が途中で止まってしまい
それ以上巻き上げられない状態でお預かりしました。
こういときに力任せで無理に回すのは絶対に厳禁です。
そんなことをするとほぼ間違いなく
重篤な破損を起こし最悪な場合、修理不可能な状態になってしまいます。
手で動かす部分が通常の力加減で動かなくなったら
決して無理はせずに修理に持ち込まれることをお勧めします。
もちろん今回は無理に操作された形跡はなく
固着した状態のままでお預かりすることができています。
原因はある程度分解してみてわかったのですが
巻上軸及び巻上ギアに泥の混じった砂のようなものが入り込んでいて
それがギアに噛みこんで動かなくなってしまったようです。
どこから入り込んだのかも大体予想がつきます。
結構奥深くまで入り込んでいて
ある程度除去したところで
巻上はできるようになったのですが
少しジャリジャリした感触が残っています。
本来のスムーズな動きになる状態に戻さないと
また同じようなことになってしまうので
奥深くまで入念に清掃洗浄し整備を行っていきます。

画像はそんな本格的な作業に入る前の
上下カバーを外しただけの状態でのモノです。
この類のカメラは本格的作業にいったん入ると
メモ代わりの最低限の画像以外を撮っている手間は
なかなかかけられないですし
集中して極力中断せずに一気に仕上げていきたいと思っています。
静電気等の問題もあるので分解した状態を
時間的にもなるべく短くしたいところです。
集中して一気に進めていきたいのは
この類のカメラに限らずどのカメラでもそうですね。
巻上トラブルは整備清掃にかなり手間はかかりましたが
原因が単純だったので問題なく改善されました。
動くようになってみるとそれ以外にも
定番のシャッター鳴きも起きていて
マグネットの吸着状況もあまりよくありません。
やはり全体的に汚れで動きが悪くなっているようです。
本来の動きと精度を取り戻すために入念に各部の整備を行っていきます。

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キヤノネットのカメラ修理

今日は「おだしの日」だそうですよ。
だしは和食の基本です。
これがまた西日本と東日本で
考え方も素材も味も大きく異なって全く違うのですよねぇ
どっちも美味しいのですが
このあたりは好みや育った環境にも左右されるかと思います。
これだけ流通が発達した現在では
どこに住んでいてもどちらの味も好みで選べることが嬉しいですね
個人的には西日本育ちの私は
やはりあっさりめの昆布だしが好みです。
使う醤油も薄口醤油がいいですね。
実は最初にこっち(関東)に来た時のインパクトが強くて
いまだにこっちでうどんやおでんを食べるのを
避けてしまいがちなのです…
その反動でたまに帰省すると
うどんばかり食べてしまいがちです(笑
まぁこの歳になって「懐かしい味」を
やたらと追いがちなせいもあるのですが…
そろそろお鍋やおでんの美味しい季節です。
お休みの日とかに自分で出汁にこだわって
作ってみるのも楽しいですね。

さてさて

本日は「キヤノネット」のカメラ修理を行っています。
キャノネットシリーズとしてもいろんな種類があり
最終モデルのG-Ⅲあたりが現在でも人気ですが
今回は記念すべき初代キヤノネットです。
キヤノン最初のコンパクトカメラとも言えますが
時代的に現在で考える「コンパクト」ではなく
少々大柄なカメラです。
45mmF1.9の大口径レンズを搭載し
セレン光電池使用の露出計を備え
シャッタースピード優先オートで撮影することができます。
露出計はオフになるもののマニュアル露出でも撮影可能です。
当然ながら距離計連動カメラです。
シャッターユニットはコパル製でB・1s~1/500をカバーします。
当時の一般向けカメラとしては最高峰ともいえる
性能を持ちながら当時の価格で18,800円という
価格破壊的な定価で発売され伝説的な大ヒットとなりました。
発売直後は2週間分と見積もっていた在庫が
数時間で売り切れ社会現象にまでなったそうです。
あらゆる意味でブレイクスルーなカメラであり
1950年代に雨後のタケノコのようにたくさんできたカメラメーカーが
カメラの低額化・高機能化に付いていけなくなり
多くのメーカーが倒産・撤退するきっかけとなったと言われています。
業界の一部からはダンピングだと指摘されるほど
驚きの価格設定だったわけですが
決して安っぽいカメラではありません。
それまでの手工業的生産からライン製造を効率化し
部品点数もできるだけ少なく仕上げて作られたカメラです。
当時の素材が限られているせいもありますが
構成する部品そのものは非常にしっかりと精度高く作られています。
当時のキヤノンの技術力の高さが垣間見えるカメラだと思います。

お預かりしている「キヤノネット」は
かなり長い間使われずにしまいこんであったものと思われます。
保管状況は決して悪くはなかったとは思われ
シャッターは若干粘りがあるものの
一通りは動作しています。
ただしケースに入れて保管していたせいか
湿気をため込んでしまったものを思われ
レンズ・ファインダーにはかなりのカビが発生しいて
とてもとても普通に写るとは思えない状態です。
露出計も動作しているもののファインダー表示は
正しい値の+3段あたりを指しており
セレンの劣化がかなり心配されましたが
実際に測定機でオートの精度を確認してみると
意外に絞り制御の数値は悪くないようです。
あとで分解してわかりましたが
ファインダー内指針の動きがかなり粘っていて
正しい値をさせなくなってしまっていたようです。
セレンの劣化だと対応しきれない可能性もあったので
少々安心いたしました。

画像は本格的に分解に取り掛かる前のモノで
上カバーを外しただけの状態です。
上カバー上にはレリーズボタンとフィルムカウンターしかありません。
巻上レバーも巻き戻クランクも全て底部に配置されます。
このすっきりした上カバーに筆記体でかかれた
「Canonet」の文字が何ともオシャレでいいと思います。
上カバーをあけるとゆらゆらと動く露出計本体の指針や
レリーズに連動する指針挟み込み機能、それに連動する
ファインダー表示、さらに光量不足時・光量過多時の
シャッターロック機構等が確認できます。
いつも思いますが非常によく考えられた構造になっています。
少し大きめのボディのため整備性も良好で
そのあたりも非常に優れたカメラだと思います。
この後で前板分離からシャッターユニット整備へと
本格的に分解整備取り掛かるのですが
シャッタユニットからボディ側への
SS伝達機構部等はかなり繊細な造りになっているので
注意が必要です。
これまで何度も分解整備を行ってきたカメラでもあるので
そのあたりはもちろん把握できていますが
油断せず細心の注意を払って整備を行っていきます。

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